【自主調査】日本国内でのPodcast利用状況は?最新調査をもとに考察

2023年10月13日

【自主調査】日本国内でのPodcast利用状況は?最新調査をもとに考察

Podcastとは、Appleの携帯音楽プレイヤー「iPod」で聴くラジオ番組をきっかけに普及した、インターネット上で音声データを配信するプラットフォーム、またはその番組の総称です。バラエティから学習コンテンツまで、多種多様なコンテンツをいつでもどこでも楽しめることから、今や世界でも代表的な音声メディアの1つです。

本記事では、GMOリサーチが行った調査「Podcastの利用状況 -2023年6月 日本の最新状況-」の結果をもとに、日本国内でのPodcast利用状況からビジネスで利用する際のポイントを解説します。

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GMOリサーチは、オンラインリサーチや海外調査などのサービスを多数提供しています。今回はPodcastを対象とした調査を取り上げていますが、他にもあらゆる市場調査を実施できます。市場調査に興味のある方は、ぜひGMOリサーチにご相談ください。

【GMOリサーチで可能な調査の例】

  • オンラインリサーチ
  • DIY型アンケート
  • 海外オンラインリサーチ
  • 消費者インサイト
  • アンケートプロモーション など
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Podcastの特徴

近年、世界中で音声メディアの需要は高まりつつあります。例えば、イギリスの調査会社MIDiA Researchによると、世界の音楽配信・ストリーミングサービスは、2021年にサービスの有料ユーザー数が5.23億人を突破していることがわかりました。2020年の有料ユーザー数と比較すると26.4%増加していることからも、需要の高まりは明らかです。

代表的な音声メディアの1つであるPodcastは、無料音声コンテンツとして今注目されています。U.S. Podcast Advertising Revenue Study(IAB:アメリカ)は、Podcast広告費が2020年の842.3百万ドルから、2025年には3982.8百万ドルに増加すると予測しており、今後も引き続き市場が拡大していくと考えられます。

需要も注目度も高まりつつあるPodcastについて、具体的にどのような特徴があるのか、配信側とリスナー側それぞれの視点で解説します。

配信する人から見たPodcastの特徴

制作・配信が容易

継続的に番組を配信していくには、制作・配信のハードルが低いことが重要です。Podcastの配信は録音環境さえあれば簡単に始めることができます。スマートフォン1台だけでも十分録音できるほか、YouTubeなどの動画制作で必要となるカメラや照明などの機材も不要なため、コスト面からも参入ハードルが低いといえます。

なお、生成AIを活用して音声コンテンツの文字おこしをすれば、活字メディアへの変換もできます。

自由な形式で番組を制作できる

Podacast配信の魅力の1つは、複数人での座談会形式や一人トーク型、ストーリー調など、自由な形式で番組を制作できることです。また、リスナーのフィードバックや反応を活かして柔軟に番組を改善していけば、番組に対するロイヤリティを高めることにつながります。

ファン獲得につなげやすい

音声メディアはながら聴きが可能で、活字や動画よりも気軽に聴くことができます。このため、Podcastはリスナーと配信者の距離を縮めやすく、ファン獲得につながりやすいという特徴があります。

聴く人から見たPodcastの特徴

場所を問わず聴くことができる

Podcastの最大の特徴として、場所や時間に縛られず、自分のタイミングで聴ける気軽さが挙げられます。動画や活字を目で追ったり、作業を止めて没頭する必要がないため、通勤中の電車内や家事の最中など、生活の合間に楽しむことができます。

多種多様なコンテンツを楽しめる

Podcastで配信されているコンテンツは多岐にわたり、番組数も数百万にのぼるとされています。ニュース番組や学習コンテンツ、バラエティなどジャンルもさまざまなので、自身の好きなジャンルを楽しめます。

また、どのコンテンツも、基本的に無料で配信されています。気になる番組があれば気軽に楽しめるのも、Podcastの魅力です。

【自主調査】Podcastの利用実態について

今回GMOリサーチでは、日本国内のPodcastの利用状況に焦点をあて、自主調査を行いました。調査で判明した以下4つの特徴について、グラフとともに結果を解説します。

  • Podcastの認知度
  • Podcastリスナーの特徴
  • Podcast利用方法の特徴
  • Podcastのビジネス利用

1.Podcastの認知度

Podcastの認知度調査のグラフ

男性のほうが認知度が高い

Podcastの認知度について、日本のインターネットユーザーのうち26.9%が「Podcastを知っている」と回答しました。また、性別でPodcastの認知度を比較すると、男性の認知度は31.7%、女性の認知度は21.9%となっており、女性よりも男性の認知度が高いとわかりました。

さらに、「直近1ヶ月間、継続的に聴いている」人も、男性の66.3%に対し女性が33.7%と、男性のほうが多い傾向が見られました。

聴いたことのある人は若年層が多い

年齢層別に見てみると、16歳から39歳までの年齢層のうち約31%が「Podcastを知っている」と回答しました。一方、50歳から60歳代では、認知度が20%程度にとどまっています。

このことから、16歳から29歳、及び30歳から39歳の年代が主要なユーザー層となっていると推察されます。

2.Podcastリスナーの特徴

8割近くのユーザーが1年以上視聴

Podcastのリスニング経験年数のグラフ

Podcastの利用経験者に視聴の開始時期を尋ねたところ、3割以上(36.8%)のリスナーが「3年以上」前から聴いていることがわかりました。また、17.2%のリスナーが「2年以上3年未満」、23%が「1年以上2年未満」、23%が「6ヶ月以上1年未満」と回答しています。

平均視聴期間については、直近1ヶ月間の継続利用者は約2年(26.5ヶ月)でした。このグループのうち、33.7%が3年以上前に、23.4%が「2年以上3年未満」、23.5%が「6ヶ月以上1年未満」に視聴を開始しています。

また、ここ1ヶ月以上視聴していないと回答した人に注目すると、「3ヶ月未満」など比較的新しく視聴を開始した人がやや多いとわかります。

場所やタイミングを問わない点が主な動機に

Podcastを視聴する動機のグラフ

Podcastを視聴する動機で多かったのは、「いつでもどこでも好きなものを聴くことができる」(76.5%)、「暇つぶしになる」(76.3%)点でした。両者とも、男女差や年代間の差はほとんどなく、全リスナーに共通した動機といえます。

男女別で見ると、「BGM利用」と「ニュース等のリアルタイム情報の入手」の2点で違う傾向が見られました。「BGM利用」は女性が多く(70.4%)、反対に「ニュース等のリアルタイム情報の入手」は男性が多い(65.2%)結果でした。

年代別で見ると、16~30歳は「BGM利用」(61.6%)や「リアルタイム情報の入手」(52.1%)を視聴動機として挙げる割合が、他の年代よりも低い傾向にあります。その反面、「人気番組を通じたトレンドのキャッチアップ」(63.5%)を動機とする割合が高いことが特徴です。

音楽やテレビ番組・映画が人気コンテンツ

興味深い番組のジャンルのグラフ

Podcastリスナーが興味を持つ番組ジャンルの上位には、「音楽」(54.5%)、「テレビ番組・映画」(36.4%)、「スポーツ」(35.1%)、「健康・フィットネス」(33.6%)、「ニュース」(31.2%)が挙がりましたが、なかでも音楽番組の人気が際立っています。

また、「コメディー」(24.6%)、「レジャー」(20.8%)、「小説」(19.5%)などの番組ジャンルもPodcastリスナーの関心を集めています。エンターテイメントやレジャー系など、Podcast番組の需要は多岐にわたると考えられます。

定期視聴は1~3番組程度

固定リスナーの番組数のグラフ

Podcastリスナーの約8割が、定期的に聴いている番組があることがわかりました。全体の6割強のリスナーは、定期視聴している番組数は1~3番組と回答しています。

3.Podcast利用方法の特徴

最も利用されているプラットフォームはSpotify

Podcastを視聴する際に利用するアプリのグラフ

Podcastを聴く際に最も多く利用されているプラットフォームはSpotifyで、全体の47.6%の人が利用しています。Spotifyに続くのは、Amazon Music(26.2%)、Apple Podcast(25.6%)、Google Podcast(17.1%)です。

最も利用されているSpotifyの利用者を年齢別にみると、16~29歳の若者層の利用率が高く(54.9%)、人気をリードしていることがわかります。

自宅での利用が多い

Podcastを聴く時間帯、頻度、時間のグラフ

Podcastを視聴している・視聴したいと考えている人の半数以上(58.4%)が、「自宅で休む/リラックスしているとき」に視聴しています。次いで、「公共交通機関を利用しているとき」(38.9%)、「運動中」(36.3%)と続いています。

Podcastを聴く時間帯は、1つのシーンに限定されていないことも特徴です。実際に、上述の利用シーン以外にも「家事をしているとき」「運転・サイクリングをしているとき」「仕事中や勉強中」なども、3割程度の人がリスニングシーンとして挙げています。

利用頻度については、9割以上のリスナーが週に1回以上Podcastを視聴していると回答しました。リスニング時間については、約半数(48.0%)が「30分以上60分未満」と回答し、最も多いことがわかりました。また、1回あたりの平均視聴時間は53.6分でした。

4.Podcastのビジネス利用

有料サービスや商品購入の経験者は少数

購入・支払い経験のある商品のグラフ

Podcastの番組内で表示される商品・サービスで、購入経験/購入意向が最も高かったのは、「番組内で宣伝されている広告商品/広告サービス」でした。また、「PodcastMCが打ち出す商品」、「PodcastMCが立ち上げた有料コンテンツ/有料番組のサブスクリプション」も、購入経験/購入意向が高いとわかりました。

約6割のリスナーは番組内の広告を気にしていない

image09_Podcast広告への態度

Podcastリスナーのうち61%は、「番組内の広告を気にせず広告をオフにしたりスキップしたりすることがある」と回答しました。また、60%のリスナーは、「無償の番組配信を維持するため、番組内の広告を容認している」との結果が得られました。ある程度の広告は番組運営の必要手段と捉えており、広告がリスニング率に与える影響は限定的であると推察されます。

Podcast広告が購買行動に与える影響について、52%のリスナーは「番組MCの推薦によって、その製品やブランドに対して好感度や信頼が深まる可能性がある」と回答しました。さらに、49%のリスナーは「番組で宣伝された製品について自分でも調べ、その製品を購入する可能性がある」こともわかりました。オピニオンリーダーの発信によって、Podcastで紹介していた製品・ブランドへの親近感が高まるものの、別途情報収集を行ってから購買可否を決めている傾向が見られます。

さらに、「MCが頻繁に推奨する製品やサービスがよくなかった場合、MCや番組を不信に思う」と考えているユーザーが多いことも明らかになりました。「MCが頻繁に推奨する製品やサービスがよくなかった場合、MCや番組を不信に思う」との設問に対し、26.0%が同意、うち18.2%が非常に同意(計44.2%)と、4割以上が同意しています。

Podcastをビジネスで利用するポイント

最後に、独自調査の結果を踏まえ、Podcastをビジネスで利用する際におさえておきたい2つのポイントを解説します。

ターゲットを明確にする

Podcastで番組を発信する際には、ターゲット層を明確にして設計を行うことが重要です。Podcastを通じてどのような印象を与え、どう態度変容させたいのかを最初に決めておくことで、番組のトピックや構成、公開頻度などが定まり、リスナーにとって最適な番組作りができます。

自社商品・サービスの理念に共感を得られるコンテンツを配信する

Podcastをビジネス利用するには、継続的に番組を聴いているリスナーをファン化することが大切です。

配信者が伝えたい項目だけ盛り込み、一方的な発信をしていては、リスナーの理解を得ることはできません。リスナー視点に立ち、自社商品・サービスの理念に共感を得られるコンテンツを配信することが大切です。より共感を得たいのであれば、自社商品・サービスの理念にストーリーを交えることが効果的です。

まとめ|Podcastのビジネス利用にはコンテンツの充実がポイント

本記事では、Podcastの特徴や利用実態について、GMOリサーチが独自に調査した、日本のPodcast利用状況に関する調査結果とあわせて解説しました。

Podcastは若年層の男性に認知度が高く、利用者も多い傾向が見られます。また、リスナー全体の特徴としては、定期的に視聴する番組があったり、いつでもどこでも視聴できることに魅力を感じていることがわかりました。

Podcastをビジネス利用する際には、利用者が多いターゲットに絞ったり、自社商品・サービスの理念に共感を得られるコンテンツを充実させることが大切です。

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GMOリサーチは、オンラインリサーチや海外調査などのサービスを多数提供しています。今回はPodcastを対象とした調査を紹介しましたが、他にもあらゆる市場調査を実施しています。市場調査に興味のある方は、お気軽にGMOリサーチにご相談ください。

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◆調査概要

調査期間:2023年6月8日~6月11日

調査方法:Z.com Engagement Labでオンラインによる調査

有効回答:1,320件

調査対象:16歳~60歳の日本のインターネット利用者

よくある質問

Q1.Podcastの認知度はどの層で高い?

性別では男性の方が認知度が高く、年齢別には16歳から39歳までの比較的若い年齢層で認知度が高いとの結果が得られました。

詳しくは「1.Podcastの認知度」の章をご覧ください。

Q2.Podcastをビジネスで利用するポイントは?

Podcastをビジネスで利用するポイントは、以下の2つです。

  • ターゲットを明確にする
  • 自社商品・サービスの理念に共感を得られるコンテンツを配信する

詳しくは「Podcastをビジネスで利用するポイント」の章をご覧ください。

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