6割以上が用意してない?防災グッズは百均でもいい?最低限やっておきたい防災の備えとは

2021年09月09日

防災キット

近年では徐々に極端な気象現象が増え、自然災害による被害は大きくなっていく傾向にあると指摘されています。災害への備えはより重要になってきています。

しかし、実際のところ
「防災グッズを用意しておきたいけど、どんなものが必要か分からない」
「実際に災害が起きたらどう行動すればいいか知らない」

という人が大半なのではないでしょうか?

この記事では、

  • 必要な防災グッズ
  • 実際の被災時の取るべき行動

といったまず知っておきたい防災の基礎知識に加え、

  • 実際にどのくらいの人が防災グッズを用意しているの?
  • 防災グッズは何を準備すればいい? 百均で済ませても大丈夫?
  • ペットを飼っているけれど、被災時どう行動すればいい?

こんなよくある質問についてもまとめました。

実は”6割以上”が防災グッズを用意していない

「災害に備えて備蓄や防災グッズを準備すべき」と思っていても、なかなか実際に準備するのは骨が折れるものです。 実際にはどのくらいの人が災害に危機感を持ち、防災グッズを用意しているのでしょうか?

アンケートサイトinfoQで1500人に調査した結果、なんと63%が防災グッズや被災時の生活用品を「準備していない」と回答していることが分かりました。

 

防災グッズや生活用品の準備

食料や飲料水でさえ、備蓄していると回答した人は50%でした。

図1.PNG

 

毎年のように大きな災害が報じられているにもかかわらず、実は2人に1人以上が備蓄や防災グッズを用意していないということがわかりました。 それだけ防災に関する準備が大変だったり、よく分からなかったりすることの表れなのかもしれません。

最低限用意しておきたい防災の備えは?

実際、災害のための備えはどのようなものを用意しておけば良いのでしょうか? 東京都が提唱している、用意しておきたい備蓄・防災グッズは次のようなものです。

◆非常用持ち出し袋 チェックリスト

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引用:東京都防災HP

支援物資が満足に届くまでにおよそ3日~1週間かかると言われています。
備蓄食料品は最低3日分を備蓄の目安とするのが良いでしょう。 このリストに加えて、風邪薬や胃腸薬といった普段から飲んでいる常備薬を用意しておきましょう。

さて、リストを見てみると、非常持ち出し袋の中身で今すぐ用意が難しそうなのは「救急箱・携帯トイレ・ホイッスル・ヘルメット」くらいで、実はあとは準備できそうなものばかりではないでしょうか?

普段の買い物のついでに少し多めに買ったり、通帳や印鑑をジップロックに入れて1箇所に保存したりすることから簡単に始められます。

被災時に役に立ったもの/必要だったもの

実際に避難を経験した方が被災時に役に立ったもの、不足したものとしてこのようなものが挙げられていました。

◆避難を経験した方が必要だと感じたもの

避難経験者1:
常備薬を数回分持ち歩いていて良かった。 硬く冷たい場所でも横になれるように膝掛け程度の毛布でもあれば良かった。
避難経験者2:
携帯電話のモバイルバッテリーは非常に役に立った。また、寝るための毛布も役に立った。食料品が不足して困った。
避難経験者3:
避難所では眠れないことが多いので耳栓やアイマスクなどの安眠グッズが必要。
避難経験者4:
熊本地震のとき防災用品をほぼ何も用意していなかったので困りました。
またシャンプーなどもできないので困りました。

やはり、不足したものとして「食べ物」をあげる方が多くいました。
それ以外には「毛布・携帯電話のモバイルバッテリー・防寒具」さらには「ビニール袋」なども挙げられていました。

非常持ち出し袋のリストはあくまで最低限のものです。 辛い避難生活を少しでもラクにするためには、地域や家族構成に合わせて自分たちに必要そうなものを想像することも必要ですね。

よくある質問:百均でも良い?

「防災グッズは、百均で売っているような商品でもいいの?」と思う方もいるかもしれません。
結論から言えば「だいたい百均で売っているもので大丈夫!」です。 現に、非常持ち出し袋のリストのほとんどの物は百均で揃えられます。

このとき、可能ならば実際に購入したものを一度試して使ってみると安心です。 特に、携帯ラジオ・ヘルメット・救急箱はできる限り試しておきましょう。

ただし、常備薬は普段から使っているものを用意しておきましょう。 被災時はどうしても体調を崩しやすいですが、もし体に合わない薬を飲んでしまってもすぐに医者にかかりにくいためです。

ちなみに携帯トイレも百均で揃えることができますが、そもそも1回分が100円程度の物ですので他の場所で揃えても問題ありません。 最初から高価なものを揃えようと思うとどうしても用意するハードルが上がり「面倒くさい ……」と思ってしまいがちです。 手の届く範囲で始め、必要なものを付け足して更新していくのがおすすめです。

よくある質問:防災セットを買うべき?

防災メーカーが出している防災セットは、必要なものが一揃いになっているため便利です。 ただし、防災グッズは定期的に見直すものです。 さらに地域や家族構成に合わせてメンテナンスも必要になるため、「一度買ったら安心」というものではないことは知っておきましょう。

災害時に取るべき行動は?

実際に大きな災害が起きると、自分も周りも混乱してしまいます。
災害が起きたらどうする?」はできる限り事前にシミュレーションしておくにこしたことはありません。

  • 災害が発生する前にやっておきたいこと。
  • 地震と大雨・台風のそれぞれが発生したときにとるべき行動

についてまとめました。 気になるところからチェックしてみてください。
※主に自宅での被災を想定したものとなっています。

災害発生の前に確認しておきたいこと

◆家の点検

屋根の点検
不安定な瓦やアンテナは補強を行いましょう。
ブロック塀などの安全対策
土中に30センチメートル以上の基礎部分がないもの、鉄筋が入っていないものは危険です。しっかり補強を行いましょう。
家具類の転倒・落下・転倒 防止方法
  • 転倒防止金具などで固定し、倒れにくくしておきましょう。
  • 棚やタンスなどの高いところに危険な物を戴せて置かないようにしましょう。
家の周りの点検・整備
「道路側溝」や「雨水ます」の吸い込み口が落ち葉やごみで詰まると、道路冠水や浸水の原因となるおそれがあります。日頃から家の周りを点検し、清掃を行うよう心がけましょう。

参考:東京都防災HP東京消防庁HP

◆話し合い・確認事項

避難場所、避難道路の確認
屋内安全確保(在宅避難等)
浸水が想定される区域内であっても、「浸水の継続により生じうる支障を許容できる」「自宅等の居室が浸水する深さより高い」「河川などの水があふれることにより家屋等が流されるおそれがある区域の外に自宅等の居室がある」場合には、上階への移動や上層階に留まること等により、自宅等に留まっても身の安全を確保することが可能な場合がありますので、まずはお住いの地域のハザードマップ等を確認し、屋内安全確保が可能かどうか検討してください。
非常持ち出し品の点検、置き場所の確認
万が一の際の家族との連絡方法・集合場所

参考:東京都防災HP

連絡が困難な場合の安否確認の方法には、次のような方法があります。

  • 災害時、171番に電話することで利用できる災害用伝言ダイヤル
  • ネットで利用できる災害用伝言板(web171)
  • NTTドコモ・au・ソフトバンクの各携帯キャリアが行っている災害用伝言板サービス

地震が発生したときの行動

◆安全の確保

  • 揺れを感じたり、緊急地震速報を受けた時は、身の安全を最優先に行動する。
  • 丈夫なテーブルの下や、物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」空間に身を寄せ、揺れがおさまるまで様子を見る。
  • 火を使っている時は、揺れがおさまってから、あわてずに火の始末をする。
  • 屋内で転倒・落下した家具類やガラスの破片などに注意する。

参考:東京消防庁HP

◆避難

  • 避難が必要な時には、ブレーカーを切り、ガスの元栓を締めて避難する。

参考:東京消防庁HP

◆情報の入手

  • テレビ、ラジオの報道に注意して、デマにまどわされないようにしましょう。
  • 役場・消防組合・警察署などからの情報には、たえず注意しましょう。
  • 不要・不急な電話はかけないようにしましょう。特に消防組合等に対する災害状況の問い合わせ等は、消防活動等に支障をきたすのでやめましょう。

参考:愛知県海部郡飛島村HP

大雨・台風が発生したときの行動

◆避難

屋内安全確保(在宅避難等)
浸水が想定される区域内であっても、「浸水の継続により生じうる支障を許容できる」「自宅等の居室が浸水する深さより高い」「河川などの水があふれることにより家屋等が流されるおそれがある区域の外に自宅等の居室がある」場合には、上階への移動や上層階に留まること等により、自宅等に留まっても身の安全を確保することが可能な場合がありますので、まずはお住いの地域のハザードマップ等を確認し、屋内安全確保が可能かどうか検討してください。
親戚・知人宅等への避難(自主避難)
災害時に身を寄せることのできる安全な親戚・知人宅に加え、ホテル・旅館等への避難も想定しましょう。避難先所在地やそこに至るまでの避難経路が安全であることをハザードマップ等で必ず確認しておきましょう。(東京都防災HP)
避難の際に持っていくものは現金や常用薬、必要に応じてマスク、体温計、水・食料、消毒液等の衛生用品など、必要最低限のものとしましょう。 ただし、大河川の洪水や高潮による氾濫発生のおそれがある場合などは、避難が長期間に及ぶ可能性があります。長期間の避難を想定した持ち出し品も考えましょう。その際、動きにくくなるほどの重さにならないように注意しましょう。

参考:東京都防災HP

◆情報の入手

情報の入手方法
  • テレビ(テレビのリモコンのdボタンを押し、データ放送でも確認できます)
  • ラジオ
  • 区市町村のホームページ
  • 気象庁等のホームページ
  • 自治体のメール配信サービス
  • 緊急速報メール
  • 防災行政無線
  • 東京都防災アプリ

参考:東京都防災HP

よくある質問:ペットと一緒に避難していい?

災害時には人だけでなくペットも被災します。 2021年7月の熱海市の土石流災害では、ペット・野良猫含め約80匹が保護されたとのことです(毎日新聞
 飼い主にとって災害時にペットをどうするのかは、大変重要な問題ですよね。

飼い主にはどんな用意ができるのでしょうか? 避難するとき、避難所にペットを連れて行ってもいいのでしょうか?

◆ペットの防災

ペットのしつけと健康管理
発災時に飼い主がペットを連れて避難しようとしても、ペットがパニックになり、いつもと違う行動を取る可能性がある。こうした状況下で、人とペットがすみやかに避難するためには、普段からキャリーバッグなどに入ることを嫌がらないことや、犬の場合は、「待て」、「おいで」 などのしつけをしておく必要がある。
ペット用の避難用品や備蓄品の確保
在宅(自宅)避難では勿論のこと、避難先においてもペットの飼養に必要なものは、飼い主が用意しておく必要がある。避難指示などが出た場合に安全に避難場所まで避難できるように、リードやキャリーバッグなどの移動に必要な用品を準備しておく。それとともに、ライフライン の被害や避難生活に備え、ペットの飼養に必要な物資を備蓄し、必要な場合には持ち出せるようにしておく。

参考:人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)

◆避難

ペットとの同行避難
指定緊急避難場所や指定避難所などの他所に移動する際に、飼い主は ペットと一緒に同行避難する。 →同行避難の考え方 過去の災害においては、ペットが飼い主と離れ離れになってしまう事例が多数発生したが、このような動物を保護するには多大な労力と時間を要するだけでなく、その間にペットが負傷し、衰弱・死亡するおそれもある。また、不妊去勢処置がされていない場合、繁殖による頭数の増加で、住民の安全や公衆衛生上の環境が悪化することも懸念される。
同行避難する際の準備の例
犬の場合
  • リードを付け、首輪が緩んでいないか、鑑札、狂犬病予防注射済票を装着しているかを確認する。
  • 小型犬はリードをつけた上で、キャリーバッグやケージに入れる。
  • 避難用品を持って指定緊急避難場所へ向かう。
  • 猫の場合
  • キャリーバッグやケージに入れる。
  • キャリーバッグなどの扉が開いて猫が逸走しないようにガムテープ などで固定するとよい。
  • 避難用品を持って指定緊急避難場所へ向かう。
避難所や応急仮設住宅でのペットの飼養マナーの 遵守と健康管理
避難所や応急仮設住宅では、ペットの飼養管理は飼い主が責任を持ち行う。衛生的に飼養管理するとともに、飼い主同士などで、周りの人に配慮したルールを作ることも必要になる。 なおペットは、ストレスから体調を崩し、病気が発生しやすくなるため、飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除くように努める。

参考:人とペットの災害対策ガイドライン(環境省)

気づいたときに、できることから始めよう

  • どのくらいの人が防災の準備を行っているのか
  • 具体的に必要な防災グッズはなにか
  • 災害時にとるべき行動はどういったものか

などについて、まとめました。

防災グッズや備蓄は定期的に見直す必要がありますし、お金も時間もかかる面倒な作業です。 ここに書いたことを全部やろうとするとかなり大変でしょう。

しかし、非常持ち出し袋に入れておく物の多くはすぐに用意できるもので、新しく買い足すものは少しで済む場合も多いです。 いざというときにすこしでもラクにするため、後悔しないため、気づいた今からできることをスタートしましょう。

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