【課題別】データ分析、どのように行う?全14種の手法を徹底解説!

2023年05月26日

deta-analysis

データ分析は、収集したデータを分析することを指します。市場参入や新商品開発の判断基準として市場調査が行われているように、ビジネスシーンではデータ分析もますます重要になってきています。データ分析手法は数多く存在しますが、解決したい課題からデータ分析の目的を明確にし、それに合致した手法を採用したいところです。

そこで本記事では、データ分析の手法について、代表的な14つの分析手法を、4つの課題別に解説しています。あわせて分析のポイントや活用できるツールも解説していますので、どの分析手法でデータを扱えばよいか迷っている方はぜひ参考にしてください。

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データ分析とは

データ分析とは、収集したデータを分析することを指します。

データを活用したい際には、まずは各種調査を通じてデータを収集しなければなりません。しかし、収集したデータは、そのままの状態ではビジネスシーンで活用できません。そのため、各種調査でデータを収集したあとは、データ分析を行い、ビジネスシーンに活用できる分析結果を得る必要があるのです。

また、収集したデータは、分析前に以下の3つ作業を行うことが必要です。

◆データ分析前に必要な3つの作業

整理 データ群を並び替えるなど、データ群全体を分析しやすい形にする
加工 単位をそろえるなど、分析しやすいようにデータの形式を整える
統合 複数箇所に散在しているデータをまとめる

データ分析の重要性は高まっている

データ分析の重要性が高まる理由の一つに、消費者行動の変化が挙げられます。

インターネットが普及する以前は、テレビCMや広告を通じて商品やサービスの情報を得る消費者がほとんどでした。企業が発信する情報が、購買行動のきっかけとなっていたのです。

しかし現在は、スマートフォン一つで手軽に知りたい情報を得られるようになりました。商品やサービスのレビューを参考にする人もいれば、「あなたへのおすすめ」などこれまでの購入履歴からおすすめされる商品を検討したり、価格や性能差で比較したりする人がいるなど、消費者の欲する情報や購買プロセス、価値観は多様化してきています。

消費者が自ら情報を収集し比較・検討できるこの時代、従来の情報発信や販売戦略を踏襲するだけでは、消費者行動の変化に対応するのは難しくなってきています。そこで、データ分析を通じて消費者のニーズや価値観を明らかにし、消費者ニーズに合わせた戦略を行っていく重要性が高まっているのです。

また、VUCA時代の到来も、データ分析の重要性を高める要因の一つと考えられます。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、ビジネス環境が目まぐるしく変化し予測が困難な状況を指します。

続々と新たな商品やサービス、ビジネスモデルが創出されるなど、ビジネスを取り巻く環境の変化は加速しており、将来の予測がつかない状況が続いています。これまでうまくいっていた手法が通用しなくなるなど、従来の勝ちパターンをなぞるだけでは市場競争で優位を確保し続けることが困難になってきているのです。

先の見通しが持てない今、いかに確度高く将来を予測し、最適な一手を素早く打つかが求められています。データ分析では、市場の動向や推移の変化を客観的な数値ベースで予測できます。勘や経験則に頼るのではなく、合理的でスピーディな意思決定を行うためにも、データ分析が求められていると言えます。

データ分析でできること

データ分析でできることは、大きく分けて3つあります。

ビジネス上の課題やチャンスの発見

データ分析では、人間の勘や経験則では見抜けない消費者ニーズを発見することができます。

先述の通り、これまで通りの手法をなぞるだけでは、変化し続ける社会に対応することが難しくなってきています。データ分析を通じて、データの関連性や推移を追うことで、新たな知見を得ることができるでしょう。

例えば自動販売機の売上データをもとに、季節や場所ごとの売上の傾向を把握することなどが挙げられます。実際に、蓄積したデータをもとに商品の差し替えや配置換えを行ったことで、売上が約20%増加したケースもあります。

現状の把握や将来予測

客観的な数値をもとに、精度の高い将来予測を行うことも可能です。

例えば農業でも、データ分析は行われています。農業は晴天続きや台風の直撃など、予測できない事象の連続です。しかし、気象データやGPSのデータなどを分析すれば、農作物の収穫量予測や生育に合わせた作業の実施が実現できます。

意思決定のスピード向上

社会の変化スピードに対応するには、意思決定もスピーディさが求められます。蓄積したデータを分析し、客観的な情報を手早く入手できれば、速やかな意思決定の一助となります。

例えば、社内の顧客管理システムや人事システムなどデータを一元管理・分析を行うことで、各データを関連づけたり因果関係を見出したりして、課題の早期発見や改善策の立案など、速やかな意思決定に活用しているケースもあります。

【課題別】14種類のデータ分析手法を徹底解説

データ分析は、現在のビジネスシーンでますます重要性が増しています。とはいえ、データ分析の手法は複数あるため、どの手法を用いればよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

データの分析をどのように行うべきか、手法選びに重要な着眼点の1つが、データ分析の目的です。解決したい課題によって、最適なデータ分析の手法は異なります。そのため、データ分析の目的を満たせる手法を選択することが求められます。

ここでは、データ分析でよくある4つの課題ごとに、合計14種類のデータ分析手法を解説します。

課題 分析手法
データの分類を行いたい
データ全体の傾向を把握したい
データ同士の関係性を把握したい
マーケティング活動に役立てたい

課題1.データの分類を行いたい

膨大なデータ同士を、それぞれ特性ごとに同じグループに分類すること(クラスタリング)は、データ分析において重要な作業の1つです。データの分類により、データ同士の相関関係・因果関係が明確になる上に、解析の手間も削減できます。

クラスター分析

クラスター分析は、さまざまな特性を持つ個体から、類似の個体同士を集めて複数のグループ(クラスター)に分類する手法です。クラスター分析は、以下の2種類に大別されます。

◆クラスター分析の分類

階層クラスター分析 似ている対象を、順々に複数のクラスター(集団)にまとめる手法を意味する。 デンドログラム(樹形図)により、グルーピングしていく過程が視覚的に把握できる。
非階層クラスター分析 集団全体から、似たもの同士が同じクラスターに入るように分割する手法を意味する。階層的な構造はない。個体数が多い場合に適している。

また、クラスター分析の主な活用例は、以下のとおりです。

◆クラスター分析の活用例

  • 顧客やターゲット、商圏のセグメンテーション
  • ポジショニング分析
  • ブランド・商品イメージのカテゴリー分類

クラスター分析についてより詳しく知りたい方は、「クラスター分析とは?その手法と応用例を図解!」をご覧ください。

主成分分析

主成分分析は、多くの変数をより少ない変数に置き換えて要約することで、データを理解しやすくする手法です。

一般的には、データを1〜3つの変数(=主成分)に置き換えます。また、データを置き換えるとき新しく作られる変数を「主成分」と呼び、最初に求められるものから順に第一主成分、第二主成分、第三主成分…と呼ばれます。主成分分析は、例えば以下のシーンで特に有効です。

◆主成分分析が有効な例

  • 店舗分析
  • 飲食物や作品の総合評価
  • 成績分析

主成分分析についてより詳しく知りたい方は、「主成分分析とは?因子分析との違いや事例を初心者にも分かりやすく解説」をご覧ください。

判別分析

判別分析は、既存データの分布からデータ分類の基準(判別関数)を導き出し、未知のデータを分類するための手法です。

判別分析により、データを分類する基準が分かるため、分析以後に得られた未知のデータについてもどのグループに分類されるのか判別できます。以下に、判別分析が有効な例を示します。

◆判別分析が有効な例

  • 自社のリストにある見込み客のうち、将来商品を購入する可能性が高い顧客を判別する
  • 実際に過去商品を購入した顧客の属性(年齢、性別、過去のWEBサイトへの来訪件数)が一定数数データとして残っている

判別分析についてより詳しく知りたい方は、「判別分析とは?活用方法や具体的な手順をわかりやすく解説」をご覧ください。

ポートフォリオ分析

ポートフォリオ分析とは、重要な2つの指標を軸として二次元のグラフを作成し、グラフを4つのエリア(4象限)に分けることで、注力すべき範囲を選定する手法です。

特に、顧客満足度調査でポートフォリオ分析がよく使われますので、顧客満足度調査を行う際にはぜひとも覚えておきたい手法です。

◆ポートフォリオ分析の代表的な利用シーン

  • 部門の売上と市場成長率を考慮し、資金を投入するか判断する
  • 顧客満足度調査の結果をもとに、製品やサービスの改善を行う
  • 「毎月の売り上げ」「新規顧客の開拓数」といった2つの軸をもとに、営業パーソンの成果を評価する

ポートフォリオ分析についてより詳しく知りたい方は、「ポートフォリオ分析とは?目的や注意点、活用事例などを解説」をご覧ください。

課題2.データ全体の傾向を把握したい

データを分析する際には、細部に囚われすぎると誤った仮説や解釈をもってしまう恐れが増大します。そのため、まずはデータ全体の傾向を把握して、それからデータの細部を確認することが基本です。

コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析は多変量解析※の1つで、クロス表を元に2変量の関係をマッピングする手法です。

※多変量解析:複数の変数データをもとに、変数同士の関係性を分析するための統計手法の総称

コレスポンデンス分析を行うと、クロス集計結果を散布図にして分かりやすく結果を示せます。そのため、カテゴリーが多くクロス集計で意味がつかみにくいケースでも、散布図により全体像の俯瞰やデータ変化の追跡が容易になることがメリットです。

◆コレスポンデンス分析が有効な場面

  • 年齢や性別といった属性で商品や企業イメージを知る
  • 競合と自社のブランドイメージのポジショニングマップを作る
  • ターゲット層がどのような特徴・ニーズを持っているのか実態を把握する

コレスポンデンス分析についてより詳しく知りたい方は、「コレスポンデンス分析とは?手順や注意点を幅広く解説」をご覧ください。

時系列分析

時系列分析とは、時間経過に伴って変化するデータを分析する手法です。

毎日の売上金額や、来客数、株価などのデータデータがどのような変動要因から影響を受けているか分析します。また、モデルを適用して将来のデータ数値を予測できるため、勘や経験に頼らず、データドリブンな意思決定を行うために有効です。

時系列分析についてより詳しく知りたい方は、「時系列分析で将来を予測する|時系列データを意思決定に活かす方法」をご覧ください。

課題3.データ同士の関係性を把握したい

データ同士の関係性を把握することで、例えば季節と来場者数など、今まで注目されてこなかった要素間の関係を把握して、ビジネス活動に役立てられます。また、関係性のある要素をまとめることで、データ解釈を容易にする効果や、より深い分析を可能にする効果が期待できるでしょう。

重回帰分析

重回帰分析は、結果(目的変数)を予測するときに、2つ以上の変数(説明変数)との相関関係を数式化して示す手法です。

◆目的変数と説明変数の意味

目的変数 リサーチする上で求めたい数値や結果を意味する
説明変数 結果に関連する要因や原因を意味する

重回帰分析を用いることで、各説明変数における目的変数への影響度を具体的な数値で算出できます。そのため、重回帰分析の結果は、根拠あるデータとして提示しやすいことがメリットです。

重回帰分析についてより詳しく知りたい方は、「重回帰分析とは?ビジネスでの活用シーンや方法・注意点を解説」をご覧ください。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、いくつかの要因(説明変数)から「2値※の結果(目的変数)」が起こる確率を説明・予測する手法です。以下に、ロジスティック回帰分析の利用シーンの例を示します。

※2値:答えが2つしかない値

◆ロジスティック回帰分析の利用シーン

  • 顧客がどのような理由で商品を購入するか、可能性を分析する
  • ある病気になるリスクを、生活習慣などの複数の要因から予測する
  • どのチャネルの広告配信が最も効果的かを調べる

なお、ロジスティック回帰分析についてより詳しく知りたい方は、「ロジスティック回帰分析とは?用途、計算方法をわかりやすく解説!」をご覧ください。

決定木分析

決定木分析とは、ツリー構造を用いて目的変数に影響を及ぼしている説明変数を見つけ出す分析手法です。データ分類や抽出が得意な特性を活かし、アンケート調査結果や顧客情報に基づく、消費者行動分析にも活用できます。

◆決定木分析が有用なケースの例

  • 機械学習によるデータ解析で、複数パターンを抽出する
  • 膨大なデータの中から、特定の情報を取り出して整理する

決定木分析についてより詳しく知りたい方は、「決定木分析とは?メリットやマーケティングでの活用方法を解説」をご覧ください。

相関分析

相関分析とは、2つの要素間の関係性を理解する手法です。

ここで相関関係とは、一方の変数が増加すると、もう一方が増加または減少するような、二つの数値の関係を意味します。相関分析を用いることで、2つの要素が「どの程度同じような動きをするか」を明らかにでき、データの特徴を簡単に把握できます。

相関分析についてより詳しく知りたい方は、「相関分析とは?相関分析の基礎を解説、実際の分析方法も紹介!」をご覧ください。

課題4.マーケティング活動に役立てたい

マーケティング活動においても、データ分析は大いに役立ちます。なぜなら、データ分析により消費者個人の趣味趣向や購買行動を一層明確にできるからです。

また、天候など、今まで注目されてこなかったものの、購買活動に影響を与える要因も発見できるかもしれません。これらのデータをマーケティング戦略に応用できるシーンは、数多く存在するでしょう。

コンジョイント分析

コンジョイント分析とは、回答者に開発している商品全体を評価をしてもらい、商品の各要素がどのくらい商品全体の評価に影響を与えているか明らかにする手法です。複数の要素を同時に比較してもらうことにより、要素の軽重を明らかにできる手法で、商品開発を考える際に使われます。

コンジョイント分析についてより詳しく知りたい方は、「コンジョイント分析とは?用途や使い方、分析手順を解説!」をご覧ください。

PSM分析

PSM分析とは、消費者への質問を通じて、自社サービス・商品の適正価格を検討したいときに特に用いる統計分析手法です。消費者が自社商品やサービスに対してどのようなイメージを持って受け入れているのか調べる調査(受容性調査)の一種です。

価格について、以下の4つの質問を行うことで、消費者から受け入れられやすい価格を算出できます。

◆PSM分析で行う4つの質問

  • いくらぐらいから「高すぎて買えない」と思うか
  • いくらぐらいから「高い」と思いはじめるか
  • いくらぐらいから「安い」と思いはじめるか
  • いくらぐらいから「安すぎて買いたくない」と思うか

PSM分析についてより詳しく知りたい方は、「PSM分析とは?具体的な方法やメリット・デメリットなどを解説」をご覧ください。

RFM分析

RFM分析は、Recency(直近の購入日)、Frequency(頻度)、Monetary(購入総額)の3つの指標で、顧客を分類する手法です。顧客生涯価値(LTV)の最大化を目的に行われる際に、よく使われます。

◆Recency(直近の購入日)、Frequency(頻度)、Monetary(購入総額)の意味

Recency
(直近の購入日)
顧客が自社にアクティブかそうでないかを把握する指標である。直近に購入した顧客の方が、購入から数年経っている顧客よりも良い顧客と考える。
Frequency
(購入頻度)
自社製品を継続的に購入している常連顧客の洗い出しを行う指標である。購入回数が多い顧客を、良い顧客と考える。
Monetary
(購入総額)
自社の売上に寄与する顧客を可視化する指標である。購入総額が多い顧客を、良い顧客と考える。

RFM分析についてより詳しく知りたい方は、「RFM分析とは?マーケティングに役立つ基本知識や分析方法を紹介」をご覧ください。

ABC分析

ABC分析とは、売上高・コスト・在庫といった評価軸を定め、多い順にA、B、Cと3つのグループ分けをし、優先度を決める手法です。

◆A、B、Cグループの分け方

グループ グループ分け 基本路線
Aグループ 売上上位7割までに位置するグループが該当 多くの利益をもたらす可能性が高いため、機会損失がないよう、在庫を多めに用意する
Bグループ 売上上位7割から9割までに位置するグループが該当 多少の利益をもたらす可能性があるため、現状維持を基本路線とする
Cグループ AグループにもBグループにも属さない、残りのグループが該当 利益をもたらさない可能性が高いため、在庫を減らすか撤退を検討する

ABC分析についてより詳しく知りたい方は、「ABC分析とは?必要な理由や手順などをまとめて解説」をご覧ください。

データ分析の手法を使いこなすためのポイント

ここまで、データ分析手法を課題別に解説してきました。ただ、データ分析手法を理解していても、正しく使いこなせなければビジネスに活用できる知見を得ることはあまり期待できません。

そこで、以下に3つ、データ分析の手法を使いこなすためのポイントを解説します。

1.データ分析の目的を明確にしておく

まずはデータ分析を行う前に、解決したい課題から、データ分析の目的を明確化しましょう。

商品の販売履歴や顧客情報など、社内には多くのデータが蓄積されていることでしょう。しかし、何を解決したいのか、分析の目的が定まっていないと、せっかく分析したがその後の施策に活用できなかった、という事態になりかねません。

データ分析は意思決定や戦略立案に向けた手段の一つであり、分析そのものは目的ではありません。解決したい課題をまずは明らかにし、その後どのように分析すべきか、分析対象となるデータは足りているか、結果をどのように活用するか、を決めるようにしましょう。

2.データ分析体制を整備する

データ分析体制の整備も、データ分析を効果的に実施するためには重要なポイントです。分析に知見のある人材や、分析結果をもとにした施策の推進ができる人材を確保することで、データ分析の活用の幅が広まるでしょう。

また、主観や偏りを生じさせないためにも、データ分析は複数人のチームで行うことをおすすめします。もし社内に分析できる人材がいない場合は、調査会社への依頼や、各種分析ツールの活用も検討するとよいでしょう。

3.複数の観点で比較・分析する

データ分析において、データ傾向を把握するためによく使われる値が平均値です。

ただ、例えば単純に平均値だけを使うと、バラつきを反映できず正しくデータ傾向を把握できない場合もあります。また、正しそうな仮説の元で、思わぬ結論が出ることもあります。そのため、複数の観点でデータを比較・分析することを心がけましょう。

◆データを比較・分析する際に取り入れたい着眼点

  • グラフなどで、全体の傾向を把握する
  • 平均値だけでなく、中央値・最頻値なども確認する
  • 前月比だけでなく、前年同月比でも比較する
  • 過去の推移も含めて分析を行う

平均値・中央値・最頻値の使い分けについてより詳しく知りたい方は、「【図解】平均値・中央値・最頻値の意味と使い分け」をご覧ください。

データ分析にはツールの活用が有効

データ分析では、大量のデータの整理・加工・統合が必要です。しかし、膨大なデータをすべて人力で処理するのはとても困難です。また、人力で分析を行おうとすると、計算ミスや入力ミスがリスクになります。そこでおすすめなのが、ツールの活用です。

以下に4つ、代表的なデータ分析ツールの種類を解説します。ツールの特徴やできることとあわせて、おすすめの利用シーンについても解説しています。ぜひ参考にしてください。

エクセル(Excel)

エクセル(Excel)は、代表的な表計算ソフトです。業務で日常的にエクセルを活用している方も多いのではないでしょうか。

関数やアドイン機能を用いれば、エクセルでも回帰分析や時系列分析など代表的な分析手法は使えます。また、多くの人にとって身近なツールなので、低コストで手軽にデータ分析を行いたい場合には有力な選択肢になるでしょう。

ただ、あまりに大量のデータ処理や専門的な分析方法には対応していません。また、点在しているデータを統合したい際にも、自動での取り込みは不可能です。

そのため、まずは手軽に基礎的な分析方法を用いてデータ分析したい場合におすすめなツールと言えるでしょう。

統計解析ツール

統計解析ツールは、膨大な量のデータを分析して、データの特徴やパターンなどさまざまな視点から仮説立案、検証に資する結果を出力してくれるツールです。

膨大なデータの解析に有用ですが、費用や習得にコストがかかるため、気軽に代表的なデータ分析手法を試したい場合には向いていません。

また、統計解析ツールは多数存在しており、費用や機能・目的、スキルなどにあわせて選びましょう。代表的な統計解析ツールの例を、以下に4つまとめました。

◆代表的な統計解析ツールの例

SPSS IBM社が製造・販売を行っている統計解析ツールです。元々アメリカ大統領選挙の浮動票を予測するために1968年に開発されました。研究機関などで多くの採用実績があり、高価格だが性能は高いです。
SAS アメリカのSAS Institute社が開発・販売している統計解析ツールで、NASAがアポロ計画に採用した実績があります。データ分析や可視化に定評があり、GUIで解析手順を指示すれば、直接プログラミングを行わなくても大抵の操作は実行できます。
R 統計・データ解析やグラフィックに特化した無料のプログラミング言語で、短いコードで簡単に統計処理を実現できます。統計処理用のパッケージも多数公開されています。
Python プログラミング言語の一種で、読みやすく習得しやすいプログラミング言語と言われています。ライブラリが豊富に存在するため、統計解析に加えて機械学習の分野でも特に重宝されている言語です。

BIツール

BIツールは、企業の基幹システムやERPなどに蓄積されたデータを分析するツールです。

企業内に点在したデータを集約して分析することに加えて、既存システムと連携し、効率的にデータ統合も行ってくれます。そのため、速やかな情報共有や意思決定に寄与するでしょう。

システム導入に時間と手間、費用がかかりますが、リソースを確保できるのであれば、ぜひ活用してほしいツールです。社内外のデータを統合し、マーケティングや経営について分析してデータドリブンな意思決定を行いたい場合におすすめです。

MAツール

MAツールは、マーケティング活動を自動化して、マーケティング活動における手間やミスを削減してくれるツールです。

メルマガ配信、LP作成、問い合わせフォーム作成などの機能を有し、施策データの収集、分析も可能です。例えばメルマガであれば、到達率・開封率・URLクリック率などを分析できます。また、顧客の行動履歴に応じてスコアリングも可能で、顧客の優先順位付けに役立つでしょう。

ただ、導入や運用にコストがかかる上に、多機能なツールでは使いこなせないケースも少なくありません。そのため、リソースやマーケティングに関する知識がさほどない会社には、MAツールは向いていないでしょう。反対に、データ分析の用途をマーケティングに特化し、データ分析結果を活用して施策の自動化まで行いたい場合には、MAツールはおすすめです。

まとめ|データ分析手法を理解してビジネスに活用しよう

データ分析は、消費者行動の変化やビジネス環境の変化に対応すべく、今や多くのビジネスシーンで活用されるようになってきました。

データ分析手法は数多く存在していますが、まずはこの記事で4つの課題に該当する場合は、この記事で紹介した14手法から検討してはいかがでしょうか。

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よくある質問

Q1.さまざまなデータ分析手法がある中で、どれを活用すればいい?
データ分析の手法は、解決したい課題をもとに最適な方法を選びましょう。
【データの分類を行いたい】
  • クラスター分析
  • 主成分分析
  • 判別分析
  • ポートフォリオ分析

【データ全体の傾向を把握したい】
  • コレスポンデンス分析
  • 時系列分析

【データ同士の関係性を把握したい】
  • 重回帰分析
  • ロジスティック回帰分析
  • 決定木分析
  • 相関分析

【マーケティング活動に役立てたい】
  • コンジョイント分析
  • PSM分析
  • RFM分析
  • ABC分析

この記事では、4つの課題を切り口に、全14手法を解説しています。詳しくは「【課題別】14種類のデータ分析手法を徹底解説」の章をご覧ください。
Q2.データ分析にはどのようなツールを用いればよい?
代表的なデータ分析手法で、扱うデータ量も多くない場合は、手軽に使えるエクセルでの分析がおすすめです。
ただ、データ量が膨大、もしくは専門的なデータ分析手法を用いる場合は、統計解析ツールやBIツールがよいでしょう。また、マーケティング分野のデータ分析であれば、MAツールの活用も検討しましょう。
詳しくは「データ分析にはツールの活用が有効」の章をご覧ください。
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