BtoBマーケティングの基礎知識|プロセス・手法をまとめて解説

2023年03月03日

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BtoBマーケティングとは、BtoB(法人間取引)におけるマーケティング活動のことです。

従来、BtoBビジネスにおいては、テレアポや展示会が主要な顧客獲得手法でした。しかし、デジタル化やコロナ禍をきかっけに、顧客の購買プロセスに大きな変化が起こり、Webを含めた手法も取り入れてBtoBマーケティングを捉え直す必要が生じています。

ただ、これまでオフラインの営業に注力してきた企業にとってはノウハウがなく、どこから手をつけたらいいのかわからないのではないでしょうか。

そこで、この記事では、BtoBマーケティングの意味やプロセス、主な手法を解説します。

 

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BtoBマーケティングとはBtoB(法人間取引)におけるマーケティング

BtoBマーケティングは、BtoB(Business to Business、法人間取引)サービスにおいてマーケティング活動を行うことです。

◆BtoBサービス・商材の例

 

  • SaaSなどWebサービス
  • 工場用機械
  • 食券機
  • 企業向けECサイト など

 

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングとの違い

BtoBマーケティングとBtoC(一般消費者向け)マーケティングには、さまざまな違いが存在します。BtoCマーケティングでは、多くの場合、一般消費者個人が意思決定を行い、購入・利用します。一方BtoBマーケティングでは、意思決定に複数の人物が関わる上に、購入者と利用者が一致するとは限りません。

そのことが、BtoBマーケティングとBtoCマーケティングに大きな違いをもたらしているのです。

◆BtoBとBtoCの違い

 

  BtoB BtoC
対象者 企業 消費者(個人)
購入者数 少ない 多い
購入までの検討期間 長い 短い
購入までに意思決定を行う人数 複数人 多くの場合1人
一度の購買額 多い 少ない
購入理由 企業経営の効率化、収益アップなど 利便性、満足度など
利用者 購入者と利用者が一致しないことも多い 多くの場合は購入者と同じ
切り替え ハードルが高い ハードルが低い
情報の対称性 少ない 多い
購入元 営業担当者 販売員やECサイト

 

ただ、BtoC商材でも単価が高いものには、BtoB商材と共通するプロセスがあり、反対にBtoB商材でも一般的な文具などはBtoC商材と同じように購買されることもあります。

◆単価が高いBtoC商材の例

 

  • 不動産・住宅ローン
  • 結婚式
  • 投資
  • 保険
  • 美容
  • 大学
  • 就職 など

 

また一般的な傾向として、BtoBは論理性が、BtoCは感情面が重視される傾向にあるとされています。しかしBtoB商材でも、決定要因が複雑で、情報量が少なく購入後のイメージもつきにくい場合は、経済合理性だけではなかなか人は決定を下せないものです。そのため、BtoBマーケティングでも情緒的な側面が考慮されることもあります。

BtoBマーケティングが注目される背景

BtoBマーケティングが注目されている背景には、大きくユーザーの行動変化とデジタルツールの普及に伴う分業化の2つの要因があります。

情報収集活動の変化

かつては、BtoBビジネスでは郵送によるダイレクトメールや展示会などオフラインのプロモーション施策がメインで、マーケティング活動より営業活動が重視される傾向にありました。

しかし、インターネットの普及に伴い、BtoBビジネスでも企業にコンタクトする前に情報収集を行い、意思決定に用いられることが増えてきたのです。最近では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うデジタル化・DXの促進や、営業の人手不足もあり、オンライン集客の重要性が増しています。

電通が2022年に行った報告「B2B商材、商談前に取引先はほぼ絞り込まれている!? 購買関与者4500人調査の考察」によると、BtoB商材の購買に関与する人物の4割程度は、取引先の営業担当に連絡する際には、すでに候補を1、2社に絞り込んでいることが明らかになっています。

営業活動の分業化

また、営業活動では数をこなすことを重視するBtoBビジネス企業が多かったかもしれません。ただ、実際の見込み客は、潜在層や顕在層など検討段階はさまざまで、リードの有望さを見極めずアプローチをかけてきた結果、非効率な営業を行っていた企業も多く存在しました。

しかし、CRM(顧客情報管理)やMA(マーケティングオートメーション)などのマーケティングツールの整備・普及にともない、1人の営業が検討段階に関係なくすべてのプロセスを担当するのではなく、営業活動を分業することが増えています。

最初に見込み客に接客してから、契約までのプロセスを可視化し、顧客の関心度合いに合わせて適切なアプローチを行うことで、受注効率を最大化できると期待されているのです。

オンラインを取り入れたBtoBマーケティングの重要性はウィズコロナ、アフターコロナの時代においても、変わらないと考えられます。DX市場の拡大や利便性により、ユーザーの行動がオフラインのみに戻ることは考えられません。引き続き、オンラインで顧客と接点を持ち続けることはBtoBマーケティングにとって重要と言えるでしょう。

BtoBマーケティングのプロセス

BtoBマーケティングでは、見込み客が商材やBtoB企業を認知してから契約・継続利用に至るまで、複数のプロセスを経ます。プロセスの全体像を理解した上で、それぞれのプロセスに応じて適切な対応を取ることが、自社のBtoBマーケティングの最適化には重要です。

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1.集客

まずは、見込み客に企業や商材の認知につなげるため、集客を行う必要があります。代表的な集客方法を、以下に示します。

◆代表的な集客方法

 

オンライン
  • SEO
  • Web広告
  • SNSアカウント運用
  • メディア掲載 など
オフライン
  • DM
  • テレアポ
  • 展示会
  • 事例インタビュー
  • TV/タクシーCM
  • 交通広告
  • 新聞・業界誌への広告 など

 

手法やそれぞれの使い分けについては、後の「BtoBマーケティングの主な10の手法」の章で詳しく解説します。

2.リード獲得(リードジェネレーション)

リード獲得とは、リード(見込み客)から連絡先を得ることです。例えば、会社名、メールアドレス、電話番号などです。

ユーザーが興味関心のある情報などと引き換えに、連絡先を獲得することで、見込み客の状況や購買意欲に合わせて自社と関係性を築きやすくします。最初にユーザーとの接点を作るプロセスでもあります。

リードを獲得するための方法は、以下に示すとおりさまざまな種類があります。商材や自社のリソースに応じて使い分けましょう。

◆代表的なリード獲得方法

 

  • ホワイトペーパー
  • 会社資料案内
  • SNSのフォロワー獲得
  • ブログの会員登録
  • 名刺交換
  • セミナー/ウェビナー

 

リード獲得について詳しくは「リード獲得」をご覧ください。

3.リード育成(リードナーチャリング)

見込み客のうちの多くは、すぐに購買したいという意欲が醸成されておらず、様子見をしています。一説によると、見込み客のうち、ニーズもウォンツも高い「今すぐ客」は1%にすぎず、反対にニーズもウォンツも高くない「まだまだ客」は全体の80%と言われています。

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『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識(マイナビ出版、飯高悠太ら共著)』を参考に作成

そこで、リード育成のフェーズでは、購入意識が低い見込み客それぞれの状況に応じて必要な情報を提供したり、自社や自社商材への興味を喚起したりすることで、購買意欲を高めます。

◆代表的なリード育成施策

 

  • インサイドセールス
  • メールマガジン
  • DM など

 

4.リード発掘(リードクオリフィケーション)

リード育成施策を行うことで、購買意欲の高まった見込み客とまだ購買まで遠い見込み客の差が生じます。

このとき、購買意欲が高まっている見込み客(ホットリード)を選別し営業活動に繋げることで、成約率アップにつなげられます。見込み客に対して購買意欲などの観点からスコア付けを行うことを、リード発掘(リードクオリフィケーション)と呼びます。

リード発掘では、以下の観点から見込み客をポイント付けすることで、ホットリードを選別します。この際、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用すると簡便にリードスコアリングを行えます。

◆リード発掘のポイント

 

1.企業規模、業種、役職などの属性情報(ターゲットとしている属性への近さ)
2.ホワイトペーパーダウンロード、展示会参加などの行動情報(行動スコア)

 

5.商談・受注

営業がホットリードに対して商談を実施、受注を促します。

このときリード獲得から商談に至るまで、相手がどのような行動をしてきたか把握しておき、見込み客それぞれの状況や課題に合わせて接することが重要です。見込み客が商品のどのような部分に興味をもったか理解してリードに接することができるため、商談の成功率が高まります。

事前に受注率の目安を設定しておき、その受注率を下回っている場合は要対策と考えましょう。見込み客との信頼関係が構築できているか、もしくは見込み客のニーズを把握できているか、見直すことをおすすめします。

6.継続利用

安定して収益を生み出すためには、一度受注を獲得して終わりにするのではなく、継続して関係性を持ち続け、顧客の満足度向上やアップセル・クロスセルにつなげることも重要です。顧客満足度を高めることで、解約率の低下も期待できるでしょう。

このとき、休眠顧客だからと闇雲に連絡を取ることはあまり本質的ではありません。顧客の段階に合わせて中長期的な視点でコミュニケーションを図りましょう。顧客の信頼感や愛着を醸成することで、良い口コミや紹介を促すことも期待できます。

BtoBマーケティングの主な10の手法

BtoBマーケティングの手法は多岐にわたります。全体像を理解し、経営戦略に紐づいた手法を選択することが重要です。以下に、BtoBマーケティングの主な手法について10つ、表に意味や特徴をまとめます。見込み客や自社商品の特性、さらには手法を用いる目的などを考慮して、最適な方法を選択する参考にしてください。

◆BtoBマーケティングの主な手法

 

Web広告 Web上に表示される広告で、テキスト・画像・動画などさまざまな形態がある。代表例としては、リスティング広告やアドネットワーク広告、SNS広告、DSP、動画広告など。
SEO 検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、Webページを検索結果に上位表示させ、流入を増やす取り組みのこと。安定して検索順位上位の記事を作成できれば、低コストで安定して集客活用可能。
SNS 企業のSNSアカウント運用。SNSごとのユーザー層や商材の特徴によって使い分ける。
メールマガジン メールアドレスを登録したユーザーに、商品情報などを配信する。MAツールなどを活用してリードの購買意欲などの段階に合わせて内容を使い分けることで、効果を高めやすくなる。
ウェビナー・セミナー セミナーは、課題解決を求める参加者に対するリード獲得につながる。質疑応答で、個別対応も可能。なお、ウェビナーは、Web上でセミナーを行うことを意味する。
展示会 複数企業が集まって開催されるイベント。特定のテーマを元に開催されることが多いため、知識や興味をもつユーザーを獲得するチャンスになる。ただし、参加費用や人員確保がネックになる恐れもある。
テレアポ ターゲットリストに電話をかけて、営業活動を行う。電話があればでき、手軽に始められる。
Webサイト コーポレートサイト、ブランドサイト、製品サイト、サービスサイト、ランディングページなどが該当する。オンラインの重要性が増している中で、Webサイトから情報収集しているユーザーも多く、多くの企業で取り入れられている。
ホワイトペーパー ユーザーが知りたい情報やノウハウをまとめた資料。ホワイトペーパーと引き換えに、連絡先を獲得する手法がよく使われる。
インサイドセールス リードに対し、EメールやWeb会議システムなどを用いて遠隔で行う営業担当。移動などのコストを抑えて効率的に営業を行える特徴がある。

 

BtoBマーケティングを成功させるポイント

BtoBマーケティングの意味やプロセス、さらには手法について、ここまで解説してきました。これらを踏まえて、最後にBtoBマーケティングを成功させるポイントを、3つ解説します。ポイントを押さえて、BtoBマーケティングの成功率を高めましょう。

顧客像とニーズの理解

BoBマーケティングの施策を実行する前には、顧客像とニーズを十分に理解しなければなりません。顧客の理解を深めることで顧客と適切なコミュニケーションをとることにつながり、マーケティング施策を進める手助けになります。

特にBtoBビジネスでは、集客から継続利用までのプロセスまで、ユーザー側でも複数の担当者が関わることは珍しくありません。その分、購買までの流れが複雑になりがちですので、必要に応じて複数の顧客像を用意しておきましょう。

その際、ペルソナやカスタマージャーニーの作成は、顧客理解を深めるために有効な方法の1つです。ペルソナを理解することで自社チームの認識を揃え、より顧客のニーズや課題を明確にしやすくなります。あわせてカスタマージャーニーを把握することで、課題の把握や施策改善に役立てられます。

カスタマージャーニーやマップの作り方について、詳しくは「カスタマージャーニーとは?マップの作り方やテンプレート、事例を紹介」をご覧ください。

経営課題・戦略から逆算したマーケティング活動の目的・目標設定

BtoBマーケティングは複数のプロセスを経るため、プロセスや施策ごとに最適なKPIを設定し適宜チューニングする必要があります。例えば、リード獲得であればCVやリード獲得単価、商談であれば訪問数や成約数などが、KPIとして活用できるでしょう。

また、ある程度規模が大きい企業であれば、別々の部署がそれぞれのプロセスを担当することも珍しくありません。全体の最適化のためにも、経営課題・戦略から、マーケティング活動の目的・目標設定を行い、それに見合ったKPI設定を選択しましょう。

マーケティング、インサイドセールス、営業など部門間の連携

ある程度規模が大きい企業であれば、別々の部署がそれぞれのBtoBマーケティングプロセスを担当することも珍しくありません。ただ、BtoBマーケティング活動を分業化することは、効率化と引き換えに情報連携がうまくいかなくなるリスクもあることに注意しなければなりません。

部門間の連携を十分に取って、それらの課題を解決するには、以下のポイントを心がけましょう。

◆部門間の連携を取るポイント

 

  • 営業プロセス全体を見通すことのできる担当者を置く
  • データの取り方や顧客の状態の定義を統一し、顧客情報が部門間でシームレスにつながるようにする
  • 各部門の役割認識を明確にし、一致させる

 

まとめ|インターネットの普及でBtoBマーケティングの重要性が増大

BtoBマーケティングとは、BtoB(Business to Business、法人間取引)においてマーケティング活動を行うことです。

インターネットの普及で事前に商材に関する情報収集が容易になってきたことや、コロナ禍・デジタル化の流れからもBtoBビジネスでもマーケティングの重要性が増してきています。BtoCマーケティングよりも高額な商材を取り扱うことが多いため、BtoCマーケティングとは異なる部分も少なくありません。

BtoBマーケティングに活用できる手法は、数多く存在します。ただ、それぞれ特徴や向いている用途が異なるので、ユーザーの段階や自社のリソースなどを考慮して、最適な手法を選択しましょう。

 

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よくある質問

 

Q1.BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いは?
BtoBマーケティングでは、高額商材を取り扱い、意思決定に複数の人物が関わることが多く、反対にBtoCマーケティングでは安価な商材を利用者1人の意思決定で購入することが多い傾向にあります。 一方、BtoBビジネスでは即断即決で購入まで至るケースは少なく、意思決定には複数人が関わることがほとんどです。 それに伴って、リードタイムも長くなりがちです。

詳細は、BtoBマーケティングとBtoCマーケティングとの違いを参照ください。
Q2.BtoBビジネスで、マーケティングが重要になっている背景は?
インターネットの普及で事前の情報収集が容易になったことと、新型コロナウイルス感染症拡大防止やデジタル化の促進などで、オンライン集客の重要性が増していることがあります。

詳細は、BtoBマーケティングが注目される背景を参照ください。
Q3.BtoBマーケティングには、どんな手法がある?
Web広告、メディア掲載、セミナー、メールマガジン、展示会など、オフライン、オンラインを問わずさまざまな手法があります。 これらにはそれぞれ特徴があり、自社のリソースに応じて適した手法を選択することが重要です。

詳細は、BtoBマーケティングの主な10の手法を参照ください。

 

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