自主調査

スキンケア・メイクに関する実態調査 ~ベトナム人のメイクの習慣化が、インバウンド消費拡大のポイント~

2016年03月25日

 GMOインターネットグループでインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社(代表取締役社長 細川 慎一 以下、GMOリサーチ)は、GMOリサーチが提携する日本とベトナムのモニターを対象に「スキンケア・メイクに関する実態調査」を実施いたしました。



●調査テーマ:スキンケア・メイクに関する実態調査
●調査地域:日本・ベトナム(ハノイ・ホーチミン)
●調査対象:20代、30代女性
      日本:1,007名/ベトナム:1,040名 / 計:2,047名
●調査期間:2015年11月18日~2015年11月30日
●調査方法:インターネット調査(クローズド調査)



【調査背景】
 日本における2014年度の国内化粧品市場規模は、前年度比100.5%の2兆3,305億円と微増推移となっており(*1)、今後はインバウンド消費の影響も相まって年々増加していくことが期待されています。
一方、ベトナムのGDP成長率は6.5%超と(2015年10月時点)、人口の増加とともに著しい成長を続けています。これに伴い訪日旅行者数も増加を続けているほか、2015年の訪日外国人1人当たりの旅行支出における買い物代は7万5,164円と、中国に次ぐ第2位となっています(*2)。
 そこで、GMOリサーチは日本およびベトナムのスキンケア・メイクに関する消費者実態を把握し、今後の日本国内の化粧品市場におけるインバウンド消費を予測するべく、両国の20代、30代の女性を対象にアンケートを実施いたしました。
(*1)出典:矢野経済研究所「化粧品市場に関する調査結果 2015」
(*2)出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」平成27年(2015年)年間値(速報)



【調査結果】
■スキンケア・メイクの習慣(図1~4)
まずは、日本とベトナムの女性に、スキンケア・メイクについての好意度と頻度を尋ねた。
・日本では、スキンケアに対して好意的に捉える人が、「とても好き」(17.3%)、「好き」(31.0%)の合計48.3%にとどまることがわかった。一方、ベトナムでは、「とても好き」(58.2%)、「好き」(39.1%)の合計が97.3%にのぼり、ほとんどの女性が好意的に感じていることが分かった。
・メイクについても日本では「とても好き」(15.0%)、「好き」(29.0%)を合わせて44.0%にとどまり、ベトナムでは「とても好き」(20.0%)、「好き」(61.1%)の合計が81.1%と、スキンケア・メイクともに、ベトナム女性は日本よりもはるかに高い好意を持っていることが分かった。
・しかし、スキンケアの頻度を尋ねたところ、日本では「毎日」が63.5%に対してベトナムでは35.6%にとどまる。
・さらに、メイクの頻度も、日本では「週に3~4日以上」を合計すると64.8%と、ある程度習慣化している一方で、ベトナムは「特別な場合のみ」が46.7%と最も高く、メイクが習慣化されていないことがうかがえる。



■メイクについて(図5~7)
・メイクをする理由は、日本では「身だしなみとして」(52.6%)が最も高く、これに対してベトナムは「おしゃれのため」(50.2%)、「コンプレックスを隠すため」(40.5%)と続き、自分を“魅せる”ことを重視する傾向にあることがうかがえる。
・普段しているメイクのタイプを聞いたところ、日本では「ナチュラル」(32.6%)、「シンプル」(18.0%)、「簡単」(9.8%)の順となり、あくまで身だしなみとして習慣的に最低限のメイクをする傾向にあると考えられる。ベトナムは、「華やか」(48.1%)が突出しており、特別な場合のみメイクをする女性が多いことからも、人目を引くメイクへの関心が高いことがうかがえる。一方で「ナチュラル」(21.5%)、「ソフト」(13.1%)も一定数いることから、習慣的にメイクをする女性においては日本と同様の嗜好にあると考えられる。
・また、普段重視しているメイクのポイントについては、日本では「目元」(42.7%)、「ベースメイク」(39.9%)となり、ベトナムでは「口元」(46.3%)、「目元全体」(44.9%)、「肌」(42.3%)の順となった。(*3)
(*3)「ベースメイク」:化粧下地やファンデーションを指す。 「肌」:肌全体を指す。
  「チーク」:頬紅を指す。               「頬」:頬全体を指す。



■メイクに関する情報収集について(図8、9)
・メイクに関する情報源は両国ともに「インターネットの情報(広告を除く)」が最も高く、日本では32.5%、ベトナムでは55.3%という結果となった。
・一方で、「知人・友人からの口コミ」は、日本が14.9%にとどまるのに対しベトナムは52.2%と高く、普段から情報交換をするほど関心の高い女性が多いことがうかがえる。
同様に、「インターネットの広告」(日本:7.1%、ベトナム:25.3%)、「Twitter、FacebookなどのSNS」(日本:7.4%、ベトナム:24.4%)では、日本とベトナムで15ポイント以上もの乖離があった。全体的に、日本では積極的に情報収集をしている人がベトナムよりも少ない。
・また、メイクの参考にしている国は、日本女性は「日本」(89.3%)で、ベトナム女性は「韓国」(73.1%)だった。ベトナムの女性は自国を参考にする人が0.7%とほとんどいないことが分かった。



【総論】
今回の調査では、スキンケア・メイクに関する日本・ベトナムの習慣や嗜好の違いや共通点が浮き彫りとなりました。
ベトナムの女性は日本と比べてスキンケア・メイクに好意的な思いを持っている人が多いものの、日本女性が身だしなみとしてメイクをするのに対して、現状では、まだパーティや式典といった特別な場面でする“おしゃれ”として位置づけられている様子がうかがえました。今後経済成長がさらに進行するに伴って、より“美容にお金をかける女性”が増えていくと考えられます。
また、そのメイクも韓国からの影響を強く受けており、実際にベトナム国内には韓国ブランドのコスメショップが多く、使用している知人や友人の口コミなどでも韓国コスメに触れる機会が多いのかもしれません。
他方、現状では韓国の影響は大きいものの、日本女性の多くに好まれているナチュラルなメイクに対する嗜好を持つ女性もいることから、メイクが習慣化することで日本のメイクや商品へのニーズも高まることが期待できます。
今後は、ベトナム人女性の美のトレンドを掴みながら、Web広告やSNSをはじめとするインターネットを通じて日本の商品の質や「買う理由」を伝えるマーケティングを行っていくことで、化粧品市場におけるインバウンド消費の拡大が図れるとGMOリサーチは考えます。



【ご参考】
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【GMOリサーチ株式会社について】
GMOリサーチは、従来通りの市場調査手法はもちろん、MROCやアイトラッキング、スキャナマインドなど、最先端の技術と手法を駆使した市場調査サービスを提供しております。現在、アジア13カ国で約2,041万人の消費者にインターネットリサーチが可能な「ASIA(アジア) Cloud(クラウド) Panel(パネル)」を利用したインターネットリサーチのほか、マーケターの調査をサポートするDIY型インターネットリサーチツール「GMO Market(マーケット) Observer(オブザーバー)」を提供しております。
アジア最大規模の調査対象者とDIY型インターネットリサーチツール2つのサービスを通じて、当社はアジアの生活者のニーズを世界中の企業にご提供し、さらなるインターネットリサーチの発展に貢献してまいります。



■「ASIA Cloud Panel」 URL:http://www.gmo-research.jp/acp
■「GMO Market Observer」 URL:http://www.gmo-research.jp/rsp

以上


<報道関係お問い合わせ先>
◆GMOリサーチ株式会社 マーケティング部 担当 白鳥
TEL:03-5962-0037(代表) 
E-mail:pr@gmo-research.jp



◆GMOインターネット株式会社 
グループ広報・IR部 石井・島田
TEL:03-5456-2695 FAX:03-3780-2611 
E-mail:pr@gmo.jp



【参考資料】

(図1)スキンケアへの好意度[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 単一回答]


(図2)メイクへの好意度[日本:N=1007、ベトナム:N= 1040 単一回答]  


(図3)スキンケアの頻度[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 単一回答]



(図4)メイクの頻度[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 単一回答]



(図5)メイクをする理由[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 複数回答]



(図6)普段しているメイクのタイプ[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 複数回答]



(図7)普段重視しているメイクのポイント[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 複数回答] 



(図8)メイクに関する情報収集源[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 複数回答]



(図9)参考にしているメイクの国[日本:N=1007、ベトナム:N=1040 複数回答]



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