プレスリリース

GMOリサーチ、DIY型リサーチシステム「GMO Market Observer」に モニターの回答率を高精度に予測する独自エンジン搭載 ~適切なアンケート配信数を決定し、DIY型の調査結果の質を向上~

2014年09月10日

 GMO インターネットグループのGMO リサーチ株式会社 (本社: 東京渋谷区、代表取締役: 細川 慎一 以下、GMOリサーチ) は、インターネット調査に必要な機能を一元化したDIY型(セルフ型)リサーチシステム「GMO Market(マーケット) Observer(オブザーバー)」に、アンケートモニターの回答率を高精度で予測する独自のエンジン「Accurate(アキュレート) Prediction(プレディクション) Engine(エンジン) (以下、APE)」を新たに搭載し、アジアのマーケッター向けに提供開始いたしました。
 これにより、「GMO Market Observer」を利用してアンケート調査を計画・実行するクライアント企業は、誤差の少ない回答率予測をもとに適切なアンケート配信数を決定できるため、調査結果の質の向上が期待できます。




【高精度回答率予測エンジン「APE」開発の背景】
 アンケート調査においては、あらかじめ設定した対象者の属性や条件によって、アンケートにおける「有効回答の回収見込み数」」(=信頼の置ける調査データに必要な回答の回収予測)が変動し、調査結果の信頼性やその後のスケジュールに影響を及ぼすこともあります。そのため、アンケート調査後に商品開発/広告宣伝等の実施を予定しているクライアント企業からは、アンケートの対象者を設定した時点で、より精度の高い「有効回答の回収見込み数」を把握し、質のよい回答を期間内に回収することが求められます。
 リサーチ会社による調査の場合、定期的にモニターに対して実施しているアンケート回答率調査の結果に加え、アンケート内容や質問数で左右されてしまう回答率を、経験豊富なオペレータが自身の経験で補い算出しているため、高い精度で「有効回答の回収見込み数」を把握することができます。しかし、通常のDIY型リサーチシステムの場合、クライアント企業が独自に「回答回収見込み数」を予測しなくてはなりません。
 そこでGMOリサーチは、こうした課題を解決するべく、DIY型リサーチシステム「GMO Market Observer」において、オペレータが対応するレベル同等の精緻な回収設定が可能な予測エンジン「APE」を開発し、搭載いたしました。



【最新技術を用いた高精度回答率予測エンジン「APE」】
 GMOリサーチが開発した予測エンジン「APE」では、各アンケートモニターの過去半年間の回答結果を全て分析し、個人単位での回答率の計算が可能です。分析する回答履歴は数百万モニター・数億レコードに及び、このビッグデータを処理するために並列分散処理技術「Hadoop™」(※1)を採用しています。  「APE」による回答率予測には、以下の特徴があります。
 ①過去半年間のモニター・アンケート・回答の全てを分析対象にしており、統計誤差が生じにくい。
 ②週次で分析を行っているため、常に最新の回答率予測である。
 ③モニター個人の回答率を保持しており、誤差の影響なく適切な配信を行える。

 これにより、「GMO Market Observer」でDIY型のアンケート調査を行うクライアント企業様は、精度の高い「有効回答の回収見込み数」を把握できるため、回答の質の向上が見込めるだけでなく、正確な開発・宣伝スケジュールを立てるたてることが可能です。

 (※1)Hadoopとは、米Apacheソフトウエア財団(ASF)が開発・公開するオープンソースソフトウエア。大規模なデータを効率的に分析処理することが可能なため、「ビッグデータ活用」を支える技術として注目されている。



【「APE」の予測結果を活用した機能】

機能1. 「回収見込み検索機能」
 性別・年代・居住地(都道府県)など、GMOリサーチがアンケートで取得している200以上の項目を用いて、モニター数の検索および回答の回収見込み数が確認できます。この機能により、調査によって目的の回答が集められるかを即時に判断できます。



 例) 年齢別に「週に一度以上、車を運転している方」を検索した画面



機能2. 「おすすめ配信機能」
 精緻な回答率予測により、適切なアンケート依頼数(配信数)の算出が可能です。例えば、1,000名の回答が必要な調査の場合、回答期待値が1,000になるよう、モニターそれぞれの回答率を踏まえながらも、ランダムにモニターを選定・調整し、推奨配信数を提示します。これにより、回収数の不足や、モニターが多いことによる無回答バイアス(※2)・短時間バイアス(※3)の抑止が可能になり、回収品質の向上を実現します。
 (※2)無回答バイアスとは・・・アンケート配信対象者の一部が無回答で、情報が得られなかったことにより生じる調査結果の偏り。配信数が多すぎると、回収が早く終了し、トータルの回収率が低下することからバイアスが拡大してしまう恐れがある。
 (※3)短時間バイアスとは・・・アンケート配信時間帯によって生じる調査結果の偏り。例えば、過剰な人数にアンケートを配信すると、アンケートの実施期間が1日以内になり「夜間に回答する人の割合が高すぎる」など、調査結果に偏りを生む可能性がある。



機能3. 「おまかせ配信機能」
 アンケートの回答率予測は、アンケート内容によっても変動します。これに対応するため、アンケート実施中にも予測数値との乖離を計測し、予測を下回る回答率であれば、自動で適切な追加配信を行うよう補正する機能を開発中です(2014年10月リリース予定)。



【今後の展開について】
 今後GMOリサーチは「APE」において、「個人の活動時間を推定して最も回答率が高い時間帯にアンケートを送付する」といった機能の充実を図り、アンケートモニターとのコミュニケーションを最適化してまいります。  また、「APE」の高度なビッグデータ解析技術と行動予測を組み合わせることで、広告関連サービスをはじめとする様々なサービスやプラットフォームの運用の自動化・DIY化にも貢献するべく、協業を推進してまいります。



【 「GMO Market Observer」について 】(URL:http://www.gmo-research.jp/rsp



 「 GMO Market Observer 」は、GMOリサーチの保有するパネルソース(※4)に加え、お客様が独自に保有するパネルソースも利用できるDIY型リサーチシステムです。アンケートの配信から、回収・集計までを同一インターフェースで行うことができるため、より効率的に調査・データ収集が行えます。2014年9月より操作画面の言語を「日本語・英語・中国語」の3言語から選択できるようになっており、アジアのマーケッターに広くご利用いただけます。
 (※4) パネルとは、モニターの集合体。モニターとは、アンケート協力の承諾を得ている会員一人ひとりのこと。また、パネルソースとはその会員組織を指す。