MROCにおけるプラットフォームの位置付け

MROCのプラットフォームとは、オフライン定性調査で使用するグループインタビュールームと同じようなものだと考えていいかもしれません。グループインタビュールームは通常の会議室と異なり、壁にはワンウェイミラーが設置されていて、隣室からインタビューの様子が観察できたり、小型のビデオカメラも設置されていて別室からモニターできたりします。

また、インタビュールームによっては、食品調査用のキッチンや冷蔵庫が備え付けられていたり、一流ブランド品の調査に向けて高級感のある空間が用意されたりなど、調査対象者から効果的に意見を引き出すためのさまざまな工夫が凝らされています。

MROCのプラットフォームもグループインタビュールームと同様、調査対象者から積極的な書き込みがされることを目的とした以下のような機能を備えています。



<プラットフォームの機能>

主要機能
・グループ機能
 同一テーマに関してやり取りするグループを設定し、対象者を限定した活動を行う。

・プロフィール設定機能
 調査対象者同士がお互いのプロフィールを参照し、関係を深めやすくする。

・掲示板機能(テキスト書き込み)・データアップロード機能

・モニター登録機能



管理者がログインできる管理画面から操作可能な機能
・ログおよびアップロードデータのダウンロード機能
 調査対象者の書き込みをアウトプットとして収集する。

・ アクセス管理記録機能
 調査対象者の個別の活動状況を把握する。

・モデレータへの指示機能
 リサーチャーとモデレータがやり取りをしつつ、具体的なモデレーションを実施する。

・アンケート機能
 MROCは将来のマーケティング調査のスタンダードになる可能性もあるため、
 インタビューなどの定性情報だけでなく、アンケート調査を実施できる機能も備えている。



<MROCのプラットフォームに求められる役割について>
こうしたMROCのプラットフォームに求められる役割は以下の2点に集約できます。

■MROCがマーケティング手法に依存しないデータサンプリングであるため、掲示板を利用した定性的なやり取りだけでなく、多くの手法に対応できること。(機能が豊富)

■ユーザビリティに優れ、調査対象者の書き込み時をはじめ、モデレータの活動時やリサーチャーの分析時の操作負担を最小限にできること。




GMOリサーチのMROCプラットフォームの特徴

次に、GMOリサーチが運用しているMROCプラットフォームを紹介します。その主な特徴としては以下の5つが挙げられます。

GMOリサーチが運用しているMROCプラットフォームを紹介します。

また、プラットフォーム単体の機能だけでなく、GMOリサーチの提供するオンラインアクセスパネルJapan Cloud Panel(会員数約200万人)とシームレスに接続できることが大きな特徴となっています。そのため、会員をダイレクトにプラットフォームに送り込んで、プラットフォーム内でスクリーニングをかけ、そのままパーミッション取得、プロフィール登録に導くことが可能です。

調査終了後は、ポイントでの謝礼支払いにも対応していることも他にはない強みで、調査会社のマネジメント面の負担を軽減できます。その他、コミュニティ管理者側の機能が充実していて、複数のコミュニティの一括管理が可能なうえ、調査対象者から見えないところで、調査会社とモデレータとのやり取りができるなど、コミュニティの活動状況に応じた臨機応変な対応ができるようになっています。

■複数コミュニティをまたいだ一括設定が可能

複数コミュニティをまたいだ一括設定が可能




GMOリサーチのMROCプラットフォーム コミュニティ機能の紹介

まず、ログイン後に表示されるトップ画面は以下のような構成になっています。

【1】トップ画面について
●画面上部にサブメニュー(トピック、アンケート、掲示版、メッセージ、日記、アルバム)が一括表示されており、各機能を利用可能です。

●アカウントに関する項目はサイドメニューにまとめて表示されており、現在の参加グループだけにアクセスが可能となっています。

●トップ画面中央に新着情報を表示。その下部には現在実施されているタスク(トピック)、アンケートがすぐに分かるしくみになっています。また、他のメンバーが更新した掲示板や日記もリアルタイムに表示されるようになっています。


■トップ画面

トップ画面

まず、ログイン後に表示されるトップ画面は以下のような構成になっています。



【2】各機能について

(1)トピック
モデレータの用意する「タスク(作業)」を実施するための項目です。画面上部にタスクの内容が表示され、それに沿って調査対象者が掲示板に書き込みを行っていきます。複数のトピックを同時に進めることもできます。掲示板は新しい順、古い順にソートすることができ、時系列表記だけでなくツリー表記も可能です。ツリー表記はテーマに対して議論が深まっていく流れがつかみやすい構造です。モデレータはトピック機能を使って、調査のかなりの部分を進めます。

トピック

プラットフォームにはトピック以外に、以下のようなさまざまな機能があります。

(2)プロフィール設定
プロフィール画像の下にあるイラストは、書き込みをするたびに花などのイラストパーツが追加されて最終的に絵が完成するしくみになっていて、調査対象者のモチベーション向上を図ることができます。

(3)メッセージ
メール機能で、モデレータが調査対象者の書き込みに対して、ダイレクトに深堀して質問する時などに利用します。また、設定によっては調査対象者同士のメールのやり取りも可能です。

(4)日記
調査対象者が、コミュニティのテーマについて日常的に体験したことを公開し、お互いが関係を深めるきっかけとしてもらいます。一種のデイリー調査とも言えます。

(5)アンケート
調査対象者に対するアンケートができます。競合他社のプラットフォームに比べて、本格的な定量調査が可能なことがGMOリサーチMROCプラットフォームの特徴です。

(6)アルバム
画像のアップロードおよびコメントが可能です。アジア圏のMROCにおいては、言葉を駆使した議論になることは欧米より少なく、調査対象者のアップロードする画像や動画等のデータについてのやり取りがラポールの形成に強い影響を与えると言われています。アップロードした画像には、調査参加者が互いにコメントをつけ合うことができます。




アウトプット形式について

管理者が最終的に分析するための資料として用いるアウトプットは、CSV形式およびhtml形式でのデータ出力が可能です。

書き込みされた内容について、タイトル、書き込み者、書き込み日時、本文、いいね!の押された数、添付された画像等を一括してダウンロードすることができます。また、書き込み日時順に時系列で出力するだけでなく、ある書き込みに対するレスポンスをツリー表記でまとめて出力することも可能です。




今回の画面例で紹介したMROCコミュニティについて

今回、画面例として紹介したのは、企業との共同研究で約1ヶ月間運用した「ラーメン」「缶コーヒー」をテーマにしたMROCです。モデレータから調査対象者への質問については、2日に一度など当初のスケジュール通りに実施するだけでなく、コミュニティの運用状況をチェックしながら、新たな質問を投げかけるなど、臨機応変な対応を心がけました。その結果として、「ラーメン」コミュニティでは、家でラーメンをどのようにアレンジして食べているかについて、有益なインサイトを得ることができました。また、缶コーヒーの場合は、毎日缶コーヒーを飲んでいる女性の会社員に集まってもらい、いろいろな質問をするなかで、そうした女性たちのペルソナ特性(購入者のイメージ)を調べる調査を行いました。



MROCシリーズのまとめと今後の展望

MROCは消費者インサイトをより深堀したいという企業側のニーズを受けて生まれてきたものですが、一方では、社会環境の変化に合わせた調査手法の変容という側面もあります。これまでの歴史を見ても、調査手法は常に時代の変化に合わせて変わってきました。MROCが登場した背景にも、社会環境の変化による必然としてデータコレクション、つまりは情報収集手段の変容の必要性も大きいだろうと考えられます。

インターネット調査の比率が調査手法全体の4割を超えるまで約10年を要しましたが、インターネット調査が登場した頃に比べると社会環境の変化のスピードが加速しています。こうした背景から、MROCが調査のプラットフォームの主流に躍り出るのに、それほど多くの時間を要さないかもしれません。