GMO-JMIの「CS調査」の目的

これまでの顧客満足度調査は現状と必ずしも一致しない
これまでの顧客満足度調査の結果では、以下のように現状と一致しないことがよくありました。

(1)調査結果では満足度が高いはずなのに、顧客が定着していない
→ 一定の満足はしているが、同程度の満足が得られる他の製品やサービスでも別に構わない可能性がある。

(2)競合に流れない固定客層が一定数いるのだが、満足度は高くない
→ 他に満足できる製品やサービスがないから、しかたなく使っている。つまり我慢しているだけで満足はしていない可能性がある。

つまり、単に「満足度」を計測する従来型の顧客満足度調査だけでは、顧客の真意は十分につかめなかったと言えるのではないでしょうか?そこで、必要とされるのは、調査を通じて、満足度だけではなく顧客の定着度合い(商品やブランドに対する信頼度・忠誠度=ロイヤルティ)を数値化して定量的に把握し、顧客の定着度と満足度を明確に切り分け、両者の関連性を明らかにすることだと言えます。


ロイヤルティの設定について
こうした顧客の満足度とロイヤルティの関係は以下のようになります。

1. 満足度=ある製品・サービスを購入して感じた満足の度合い

2. ロイヤルティ=ある製品・サービスに対する定着度合い(継続利用度)

ロイヤルティは、満足度だけでは推定できない再購入行動に、強い影響を有する重要指標です。そこでGMO-JMIでは、製品・サービスの特徴ごとに満足度・ロイヤルティをそれぞれ測定しました。それによって、リピート購入に対して影響の強い特徴を特定すると同時に、それらの満足度にフォーカスすることにより、リピート層の増加に直結した改善項目を引き出すことを可能にしています。

これらを実現するためにGMO-JMIの「CS調査」は以下の2つの柱から構成されています。




GMO-JMIの「CS調査」1: 総合満足度とロイヤルティ度の関係性を測定

まず、満足度とロイヤルティの関係性を測定するために、同じテーマについて評価と継続利用について質問することで顧客の満足度とロイヤルティのギャップを明らかにしていきます。


調査票の構成
この調査に用いる調査票は、心理学で使用されるリッカート尺度という5段階評価を用いて以下のように作成されています。

アウトプット:顧客セグメンテーション(SL分析/Satisfaction rating Loyalty Analsis) こうした調査の分析では、顧客を満足度の高低、ロイヤルティの高低で4セグメントに分割し、 顧客特徴の把握することができるようになります。その結果が図1のセグメンテーションの図です。

アウトプット:顧客セグメンテーション(SL分析/Satisfaction rating Loyalty Analsis)
こうした調査の分析では、顧客を満足度の高低、ロイヤルティの高低で4セグメントに分割し、 顧客特徴の把握することができるようになります。その結果が図1のセグメンテーションの図です。


図1:満足度とロイヤルティの高さによる顧客のセグメンテーション

図1:満足度とロイヤルティの高さによる顧客のセグメンテーション


これらの特徴を簡潔にまとめると、以下のようになります。

(1) 右上:HH層
ロイヤルティも満足度も高い優良顧客

(2) 右下:LH層
ロイヤルティは高いが、満足度は低い。その製品・サービスしか利用できないか会員として囲い込まれていてスイッチングコストが高い、乗り換え手続きが面倒といった理由で、仕方なく継続利用している顧客

(3) 左上:HL層
ロイヤルティが低く、満足度は高い。現在利用している製品・サービスに満足しているが、安価、または興味のある新たな製品・サービスが登場すると、簡単に乗り換える可能性がある顧客

(4)左下:LL層
ロイヤルティも満足度も低く、製品・サービスに対する悪評を周囲に広める可能性がある顧客


これらの数値を入れた具体的なアウトプット例は図2になります。この場合も、HH(ロイヤルティ・満足度双方が高い)層が全体の67%と高いものの、LH層(ロイヤルティ>満足度)よりもHL層(ロイヤルティ<満足度)が偏在しているのが課題だということができます。


アウトプット例

図2:顧客セグメンテーションのアウトプット事例

図2:顧客セグメンテーションのアウトプット事例


さらに、年齢や性別でセグメントして分析していくことで各層の属性の違いを把握できるようになれば、TVCMを打つ、店頭プロモーションを行うなど、顧客へのアプローチするための効果的な広告宣伝・販促の方法もわかるようになってきます。




GMO-JMIの「CS調査」2:顧客視点に立った「製品・サービス」を構築するために

次に、顧客視点に立った「製品の使いやすさ」「営業時間」「アフターサービス」などを構築するために、次に、製品・サービス特徴別に「顧客の重視度」「顧客の満足度」「満足度とロイヤルティとの関連性」の3点を測定して、改善の必要がある製品・サービス特徴とその緊急性を判定していきます。その中で、顧客が重視している特徴であるにもかかわらず、顧客の満足度が低い特徴や、ロイヤルティと顧客の満足度との関連性が高い特徴ほど改善の緊急性が高いテーマだと言うことができます。


調査票の構成
顧客視点に立った「製品・サービス」を構築するために行う調査の調査票は以下になります。この項目に関しては、アメリカの1980年代以降のサービス産業評価のスタンダードとなっているSERVQUALを応用し、顧客の期待と実態とのギャップが生じる要因を明らかにしていきます。また、サービス業、メーカーなど業界ごとにこの質問項目は異なってきます。

アウトプット:顧客の価値観の視覚化(SoVマップ/Sense of Value Map) 顧客の満足度」を縦軸に「顧客の重視度」を横軸にとり、集計結果をマッピングしていきます。その重視度の平均を4つのセグメントに分けたのが図3になります。

アウトプット:顧客の価値観の視覚化(SoVマップ/Sense of Value Map)
顧客の満足度」を縦軸に「顧客の重視度」を横軸にとり、集計結果をマッピングしていきます。その重視度の平均を4つのセグメントに分けたのが図3になります。


図3:製品・サービス特徴の「重視度」「満足度」によるセグメンテーション

図3:製品・サービス特徴の「重視度」「満足度」によるセグメンテーション


右下の重視度が高く、満足度が低い項目は、最も優先する必要がある緊急改善項目だと言えます。また、左下の重視度が低く、満足度も低い項目は緊急改善項目よりは優先度は低いが改善の必要がある項目で、右上の満足度と重視度が高い項目は現状維持項目、満足度が高いが顧客がそれほど重視していない項目はとりあえず保留しても問題はないかと思います。

また、改善の緊急度を調べる場合は、以下のように顧客満足度を横軸に、ロイヤルティを縦軸にとった、グラフからも読み取ることができます。左のグラフの場合のようにマッピングした評価点が右肩上がりになっている場合は、満足度とロイヤルティは強い関連性があり、右のグラフのようにバラバラに配置されている場合は、それらの関連性はあまり見られないので、緊急性は低いと言えるでしょう。


図4:満足度とロイヤルティの関連性(相関係数)

図4:満足度とロイヤルティの関連性(相関係数)


さらに、製品・サービス特徴の「重視度」「満足度」によるセグメンテーション図に数値やアンケート項目を入れて作成したのが以下のグラフとレーダーチャートになります。こうしたビジュアル化を通じてより緊急性の高い課題を発見しやすくなると思います。

図5:会員制の通販サイトにおける顧客満足度調査のアウトプット例(1)

図5:会員制の通販サイトにおける顧客満足度調査のアウトプット例(1)


図6:会員制の通販サイトにおける顧客満足度調査のアウトプット例(2)

図6:会員制の通販サイトにおける顧客満足度調査のアウトプット例(2)



まとめ

一般的な顧客満足度調査では、調査結果を元にどのように活用するまでは考えられておらず、単に管理者の評価として考えている企業も多いようです。そのため、満足度が向上したり、下がったりすることに一喜一憂している例が多く見られますが、それだけに終始していてはあまり意味がありません。 GMO-JMIの顧客満足度調査は、顧客満足度だけでなくロイヤルティも測定するとともに、「満足度」「ロイヤルティ」より顧客のセグメンテーションを行い、製品・サービス特徴別の「重要度」「満足度」「満足度とロイヤルティの関連性」を測定することで、重要度・優先度を把握できます。そのため、サービスを改善し、ロイヤルティの向上を実現するために今、企業では何から手をつけていくべきかが明確になる顧客満足度調査だということがわかると思います。



次回は、顧客満足度調査の課題やこれからの方向性について紹介したいと思います。