はじめに

今回は、Scanamindが旧来の調査手法と比較してどんな優位性があるのか、また、その優位性を考慮するとScanamindはどんなシーンで最も強みを発揮できるかを紹介したいと思います。さらに、Scanamindを旧来の調査手法と併用することで、マーケティング・リサーチをどのように進化させることができるのかも、併せてご紹介したいと思います。



旧来調査(定量・定性調査)とScanamindの違い

これまでご紹介してきたように、旧来の調査手法(定量・定性調査)とScanamindとの最大の違いは、調査票の有無だと言えます。一般に「定量調査」は調査票を使ってアンケートが実施され、「定性調査」はディスカッションガイドなどに沿ってインタビューが行われます。そのため、旧来の調査手法では調査票やディスカッションガイドを企画するリサーチャーの想定を超えた結果を導くことは難しいと言えるでしょう。その一方、Scanamind、アイトラッキング、表情認識などの「調査票のいらない調査」は、リサーチャーの意図に縛られず、調査対象者の認識がそのまま調査の枠組みとなるという点で、これまでにない消費者インサイト(深層心理や潜在的な欲求)の発見が期待できる手法だと言えます。

消費者インサイト(深層心理や潜在的な欲求)の発見が期待できる手法




Scanamindは旧来調査と比較して優位性を備えた調査フレーム

■Scanamindの優位性

上記の表1から読み取れるScanamindの優位性は、以下の2点になります。


【1】Scanamindは定量調査と定性調査の両方の特性を併せ持つ調査手法
Scanamindは、調査対象者が画面上に入力した文字・言語を使用している点では定性調査的な特性を備えています。ただ、そのアウトプットを数値化するという点では定量調査的な特性も併せ持っていると言えるでしょう。


【2】「調査準備がほとんど必要ない」、「調査手法で深い経験を積んでいなくても、一定のクオリティでアウトプットの分析が可能」
旧来の調査手法では、事前準備や実査にかなりの工数を割く必要があり、設計や分析においては一定の経験が必要とされています。しかし、Scanamindは面倒な事前作業が不要で、調査手法に対する専門的な知識や調査経験がなくてもアウトプットを提供することが可能です。


■ 自由回答の定量集計手法とScanamindの違い
定量調査内の自由回答で得られた回答内容の定量集計手法(アフターコーディング、テキストマイニング)とScanamindは、類似性があるように感じられます。ただし、ここで以下のような違いがあることを明確にしておきたいと思います。

・自由回答の定量集計とは?
自由回答を定量的に処理する方法としては、アフターコーディング(文章内容の意味を人間が判断した上で分類してコードを振り、分類項目別に集計する手法)やテキストマイニング(文章に含まれる単語の意味をコンピュータが辞書から推定し、それによって機械的に分類して集計する手法)などがあります。これらの方法では、言葉の意味を重視しているため、例えば、購入調査の回答項目として「便利」、「使いやすい」とあった場合には、同じ意味だと類推して一つのコードに分類されることが多いようです。

・Scanamindのアウトプットについて
Scanamindは、調査対象者が列挙した項目間の全ての組み合わせの関連度評価(4段階)を数値データとして分析し、それらをマッピングする際、関連度が高い組み合わせは近くに、低い組み合わせは遠くに配置されます。そのため、「便利」、「使いやすい」など、一見して意味の近いと考えられる言葉であっても、遠くに配置される可能性があります。調査対象者が「便利」と「他の全ての言葉」に与えた関連度評価を総合して「便利」の位置が決まり、「使いやすい」の位置についても、同様に「使いやすい」と「他の全ての言葉」に与えた関連度評価を総合して決定されるためです。 Scanamindは、言語の意味を読み解いて分類しているのではないという点で、自由回答の定量集計手法とは明確に異なっているのです。




Scanamindが旧来調査と比較して優位性を持つ調査フレーム

Scanamindは以下の2つの調査フレームにおいて、旧来調査と比較して優位性を有しています。

■グローバル調査-複数言語にまたがった調査-
Scanamindは言葉の意味を読み解いて分析しているわけではないので、言語体系に依存しません。そのため、英語、フランス語、中国語など、どんな言語でも調査を実施できます。また、日本語と英語など複数言語にまたがった調査も可能なだけでなく、複数の調査内容(別サンプルサイズ、別テーマ、別時期に実施したもの)を合体したり、逆に切り離したりすることもできます。その他、Scanamindは調査国の言語や社会背景に精通していなくてもクオリティの高い調査を実施できる点でも、他にはない優位性を備えています。

※ただし、アウトプットから詳細なレポートを作成するためには、当該言語や各国の市場背景に対する知識が必要です。

グローバル調査


■事前調査-対象となる市場やセグメントの事前情報がない調査-
調査対象となる市場やセグメントの事前情報を十分に入手できず、適切なアンケート調査票やディスカッションガイドを作成することが難しい場合があります。その場合、新規参入する商品やサービス、地域に対して調査対象者自らが無意識的に枠組みを構築してくれるScanamindは大きく役立つと言えるでしょう。




結論

Scanamindは旧来調査(定量・定性調査)と比較して多くの優位性を有する調査手法です。
ただし、定量・定性調査の手法でなければ把握できない点も数多くあるので、その点を改めて紹介したいと思います。

・定量調査
リサーチャーの想定している範囲が適切であれば、対象全体の構造をシステマティックにさまざまな切り口から描写可能。

・定性調査
数値化できない複雑な概念であっても、リサーチャーに適切な分析能力があれば、対象のダイナミックな簡略化、深化が可能。

これに対して、Scanamindは調査対象者の思考内容をそのままの形で抽出できるだけでなく、きわめて簡単なハンドリングで調査できます。そのため大きな構造の可視化に向いていますが、逆に構造の細かい部分の差異を可視化する場合には限界があるのも事実です。

Scanamindの活用イメージ

マーケティング・リサーチにおいて、対象を多面的にとらえようとすれば、さまざまな有効な調査手法を組み合わせて結論を導く必要があります。Scanamindは、調査の枠組みの構築に取りかかる初期段階で特に大きな力を発揮すると言えます。



次回は、Scanamindのシステム内部のデータ処理ロジックを紹介する予定です。





※Scanamindに関わる技術は株式会社クリエイティブ・ブレインズが特許法に基づく特許権を取得しています(特許第3335602号,特許3278415号,特許3417941号,特許3638943号,特許4824837号)。
米国・ドイツ・フランス・英国でも同社の特許権が成立しています。
※Scanamindは株式会社クリエイティブ・ブレインズの登録商標です(登録番号第5109952号)。また世界主要35カ国における同社の登録商標です(国際登録第1131308号)。
※「Scanamind」公式サイト
http://www.scanamind.jp/