Emotion Measurement Seriesとは

GMOリサーチが提供するEmotion Measurement Seriesは、旧来型の定量・定性調査と異なる「調査票のいらない調査」です。そもそも旧来のアスキング(質問)型の調査の場合、調査対象者が明確に意識していたり、頭の中に記憶していたりすること以外は回答できないのが通常でした。また、調査票の質問内容もリサーチャーが想定した範囲内を超えることはないため、調査対象者の潜在意識やインサイトの抽出は困難だと考えられています。

こうしたなか、GMOリサーチでは、アスキングを用いることなく、調査対象者の無意識下に沈殿する思考や反応、行動の脳内プロセスを把握する「調査票のいらない調査」をEmotion Measurement Seriesとして提供しています。今回取り上げた「感性分析」は、このシリーズのひとつです。

※詳しくは、「消費者の無意識な情動変化を分析する生体反応測定調査-Vol.1」をご参照ください。




感性分析

■感性分析の仕組み

感性分析は、株式会社夏目綜合研究所が開発・提供する「感性判定解析システム」をGMOリサーチの視線計測(アイトラッキング)装置と組み合わせたものです。感性分析の仕組みは以下の図1のようになっています。

①アイトラッキングによって調査対象者が何を見ているのか(視線がどこにあるのか)を計測。

②感性判定解析システムを用いて計測した情動反応(明暗反応を除去した瞳孔径変化)から、どの程度注目しているか(関心があるのか)を算定。
⇒①②より、単にぼんやりと視線を向けていたのではなく、関心を持って注目している注目点を、時系列で把握できます。

③感性判定解析システムを用いて、表情反応(表情変化を解析)から、どのような感情が表出したのかを計測。
⇒注目により得た情報から表出する感情を、時系列で把握できます。


図1 Emotion Measurement 4 感性分析の仕組み


■感性分析からわかること
感性分析のアウトプットは、図2のように表されます。これは販促ポスター案を調査対象者に提示して感性分析を行った時の調査結果イメージとなります。

①の視線計測は、どこに視線が滞留していたのかを時系列で表したものです。

②の情動反応は注目度合いの推移を把握できるもので、グラフでは調査開始から0.6~0.7秒後までの注目度が高く、その後下降していることが分かります。

③は調査対象者の表情反応から「喜び」「怒り」「恐れ」「嫌悪」「悲しみ」「驚き」といった人間の基本的な6感情を読み取り、その推移を表しています。グラフでは0.4~0.5秒後から「驚き」、続いて「喜び」が上昇していることが分かります。


上記の①②③より、最初に広告の左上部タイトルが注目され、続いて注目度の高い状態で下部のキャラクターに視線が移動すると同時に「驚き」「喜び」の感情が表出していることが分かります。続いて視線は中央部のアイコンに移動するものの、あまり注目されていないことが読み取れます。このように感性分析を通じて、調査対象者の無意識の反応(注目、感情)を時系列で総合的に分析することが可能となっています。


図2 感性分析のアウトプットイメージ


■感性分析の活用場面
感性分析は、マーケティング領域においては従来アスキングで取得するしか方法がなかった調査対象者の注目対象や感情を、無意識レベルから正確に取得・分析したい時に活用可能です。たとえば、以下のようなケースが考えられます。

・静止画(広告、パッケージ等)、動画(映画、CM等)コンテンツの評価
・インターネットサイトやゲームコンテンツのユーザビリティ評価
・店内の棚配置や商品棚の評価(買物中の視線の動き・関心の有無等)

また、アスキング自体が難しいという理由でこれまで調査対象とすることができなかった幼児や高齢者を調査対象者とすることもできるため、そうしたセグメント向け商品・サービス評価にも有効です。

※詳しくは、
「消費者の無意識な情動変化を分析する生体反応測定調査-Vol.2」
「消費者の無意識な情動変化を分析する生体反応測定調査-Vol.3」
をご参照ください。




回答確信率

回答確信率とは、上記の感性分析を応用して、定量調査において選択肢を選択する過程で生じた調査対象者の迷いを明らかにする手法です。

旧来の定量調査では、「選択肢2」と「選択肢3」を迷った末に「選択肢2」を選択したのか、最初から確信を持って「選択肢2」を選択したのか、適当に「選択肢2」を選んだのか、そのプロセスが分からないため、最終的に選択された「選択肢2」という結果だけがすべてでした。その点、感性分析では、それらを割合として定量的に可視化することができるため、調査対象者の迷いや回答自体の信頼性までも明らかにすることが可能です。


■回答確信率の仕組み
回答確信率は感性分析の仕組みを応用しており、調査対象者が据置型のアイトラッカーに表示された設問画面を見ながら回答を選択し、その際の視線と瞳孔反応を計測します。取得した視線と瞳孔反応データから、画面の「どこを」「どの程度」注目しているかを分析することで回答確信率を算出します(図3)。

図3 回答確信率の仕組み


■回答確信率からわかること
視線と瞳孔反応の計測から、全体の注目度総数に対する各選択肢エリアの注目度割合を算出するのが回答確信率で、濃い赤が注目度の高いエリア、ピンクがやや高いエリアを示しています。下図4の場合では、全体の注目度総数に対して、「好き」が50%、「やや好き」が30%、「やや嫌い」「嫌い」が10%ずつ注目されていたことが分かります。

図4 回答確信率の算出


なお、回答確信率の解釈は、以下の3つの方向から行われます。

①回答確信率の数値
⇒割合が集中していることが重要で、70%未満の場合は確信して選択したとは言い難い結果だと言えます。図4では「好き」がもっとも注目されているものの、その割合は50%で他の選択肢にも分散しており、確信を持って回答しているとは言えないのではないかと推察されます。

②口答回答との一致・不一致
⇒回答確信率と口答回答に明らかなギャップが見られる場合は、回答結果の信頼性に注意が必要です。図4の状況で口答回答が「やや嫌い」「嫌い」の場合は、回答確信率との矛盾が生じるため、口答回答の信頼性に対して注意が必要だと言えます。

③注目度総数の数値
⇒そもそも調査対象者が設問に関心を持って画面に注目しているか(関心が高いか)は重要です。図4において、回答確信率は「大好き」が50%となっていますが、全体的に注目度が低い(=白いエリアが多い)場合は、設問内容自体に対する関心が低く、適当な選択を行っている可能性もあります。


※詳しくは、
「消費者の無意識な情動変化を分析する生体反応測定調査-Vol.4」
「消費者の無意識な情動変化を分析する生体反応測定調査-Vol.5」
をご参照ください。




まとめ

今回の内容をまとめると以下の5点になります。

1.感性分析とは、GMOリサーチの提供するEmotion Measurement Seriesのひとつであり、旧来型の定量・定性調査とは異なり、アスキングを行わずに調査対象者の無意識下の思考や反応を取得する「調査票のいらない調査」である。

2.感性分析は、株式会社夏目綜合研究所が開発・提供する「感性判定解析システム」をGMOリサーチの視線計測(アイトラッキング)装置と組み合わせたもので、「どの程度関心を持って」「何を見たか」(=何に注目したか)「どのような感情が表出したか」を可視化できる。

3.感性分析を応用し、定量調査において選択肢を選択する過程で生じた、調査対象者の迷いを明らかにする回答確信率という手法も提供している。

4.回答確信率は、調査対象者が据置型のアイトラッカーに表示された設問画面を見ながら回答を選択し、同時に口答回答する。その際の視線と瞳孔反応を、感性分析と同様の手法を用いて取得することで、調査対象者の迷いを可視化する。

5.回答確信率の解釈は、「回答確信率の数値」「口答回答との一致・不一致」「注目度総数の数値」の3つの方向から行う。